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“クラウドネイティブ対応インフラ”としてHCI/CIやオールフラッシュ「Isilon」を紹介

Dell+EMC+VMware統合の価値、「Dell EMC World」新製品発表

2016年10月25日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 10月18~20日に米国で開催された「Dell EMC World 2016」では、幾つかの新製品や既存製品の新バージョンが発表された。

 全体には旧EMC側のポートフォリオを強化する製品が多く、一部は5月に開催された「EMC WORLD 2016」でも発表済みだが、新しい「Dell EMC」ブランドの下、あらためて両社およびグループ各社の統合の目的と価値を印象付けるための発表だったと言えるだろう。

展示会場のデータセンター製品エリアには、真新しい「Dell EMC」ロゴの製品が並んだ

クラウドネイティブアプリケーションに適したインフラへの“モダナイズ”を

 基調講演の中でマイケル・デル氏は、ハイブリッドクラウドへの道のりの第1ステップとして「ITのモダナイズ(最新鋭化)」が必要だと語った。この「ITのモダナイズ」とは、具体的にはどういうことを指しているのか。

 Dell EMC インフラストラクチャ・ソリューションズ・グループ プレジデントのデビッド・ゴールデン氏は、現在そして今後のITインフラには「従来型のアプリケーションとクラウドネイティブなアプリケーション」という、それぞれに異なる性質、異なる要件のアプリケーションを両方サポートする能力が求められており、それゆえにITのモダナイズが必要なのだと説明する。いわゆる“SoRとSoE”“バイモーダル”のアプリケーションへの対応能力だ。

 「両者には、たとえばステートフルとステートレス、スケールアップと分散型スケールアウト、レジリエンシー(回復性)がインフラ主導かアプリ主導か、といった大きな性格の違いがある。したがって、インフラに対する要件も異なる。モダンなITインフラは、この両者を支えられなければならない」(ゴールデン氏)

Dell EMC インフラストラクチャ・ソリューションズ・グループ プレジデントのデビッド・ゴールデン氏。EMCではインフラ製品部門CEOを務めていた

デジタル変革が進むことで、アプリケーションの主流は「従来型」から「クラウドネイティブ」へと移行する。この両者はインフラに求める要件が異なる点がポイントだ

 加えて、現在のインフラには「オンプレミスとオフプレミス」という選択肢も求められる。ゴールデン氏は、効率性の側面から考えて、その最適解はハイブリッドクラウドであることを説明した。

 これらのインフラ/プラットフォームを構築するための製品群として、Dell EMCのインフラ製品群をはじめ、VMwareの仮想化プラットフォーム、PivotalのPaaSソフトウェア、エンタープライズ向けパブリッククラウドサービスのVirtustreamなどがある。オンプレミス側はハイパーコンバージドインフラ(HCI)を中心に、そしてオフプレミス側はVirtustreamだけでなく、VMwareと提携したAWSやIBM、ほかにもMicrosoft、Googleなどのマルチクラウド環境で構成するというのが、Dell EMCとしての“最適解”の見立てだ。

ハイパーコンバージドインフラVxRail/VxRackでPowerEdgeサーバーを採用

 HCI製品は、Dell EMCとVMwareのそれぞれがこれまで育ててきたプロダクトを組み合わせ、統合により生まれた“強み”を明瞭に生かせる分野である。また、前述した「クラウドネイティブなアプリケーション」が求める分散型のスケールアウト性も持つ。そのため、今回のDell EMC Worldでは特に大きく扱われていた。

HCI製品はDell EMC、VMwareが持つポートフォリオの強みを生かせる分野

 EMCが提供してきたHCIアプライアンス「VxRail」やラック構成のHCI「VxRack System 1000」では、いずれも最新の「PowerEdge」サーバーを採用した新モデルが投入されることが発表された。

 VxRailは、Xeon E5-2600 v4×2ソケットを搭載した1Uサーバー「PowerEdge R630」や大容量ストレージ搭載の2Uサーバー「PowerEdge R730xd」をベースとしたモデルが投入される。発表によると、新モデルは従来モデルと同等の価格で40%以上のCPUパフォーマンス向上を実現するほか、オールフラッシュノードのストレージ容量が従来比2倍以上に拡大、最小構成価格は4万5000ドル以下になる、といった特徴がある。

 ゴールデン氏の説明によると、VxRailの最小構成(3ノード構成)では、3Uサイズに最大で108CPUコア、2.4TBメモリ、90TBのSSDまで集約することが可能で、最大200VMをホストできるという。VxRailの主要市場における提供開始は今年第4四半期から。また「VMware Horizon」を搭載済みのVDI向けVxRailは、今年12月から提供を開始する(いずれも日本での提供時期は未発表、以下同様)。

PowerEdgeサーバーを採用したVxRailが発表された

 ラック構成のHCIであるVxRack System 1000シリーズ(VxRack FLEX/SDDC)でも、同様にPowerEdge R630/R730xdサーバー採用モデルが投入される。これにより、コンピューティング能力重視、ストレージ容量重視など、顧客の用途に対応した20以上の構成が可能になるとしている。VxRack FLEXは今年第4四半期から提供開始、またVxRack SDDCは今年第4四半期から受注開始。

 ゴールデン氏は、CPUのコア数増加、フラッシュストレージ(SSD)や高速なEthernetの普及、そしてノード分散型のストレージを実現するSDS(Software-Defined Storage)技術により、HCIのメリットが発揮できる環境が整ってきたことを説明。HCIならば、SANストレージを採用する従来型のシステム構成比で「管理コストを30%削減できる」と述べたうえで、VMwareの持つソフトウェアエコシステムも生かせるVxRail/VxRackの優位性を強調した。

 なお、DellではこれまでNutanixソフトウェアを搭載したHCIアプライアンス「XCシリーズ」を提供してきたが、VxRailと並行してXCシリーズ製品も引き続き提供していく(Nutanixは今回のDell EMC Worldのシルバースポンサーにも名を連ねている)。また、Ciscoサーバーを採用したVCEのコンバージドインフラ製品(VxBlock)も、引き続き提供していく方針に変更はない。ただし今回は、XCシリーズやVxBlockに関する発表はなかった。

従来型アプリケーションからクラウドネイティブアプリケーションまで、幅広く支えるHCI/CI製品を展開

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