今年5月に、フラッシュメモリー関連の巨人メーカーのSanDiskを傘下(完全子会社)に収めたWestern Digital。早くもWDブランドを冠した初めてのSSDとなる「WD Blue SSD」が登場したので、さっそく試してみることにした。
「WD Blue SSD」シリーズは、定番のTLC NANDフラッシュメモリーとSLCキャッシュ技術を採用するSSDで、インターフェースにSATA3(6Gbps)を採用し、2.5インチとM.2 2280タイプを用意。
容量は250GB、500GB、1TBの3種類で、公称パフォーマンスは500GBと1TBモデルがシーケンシャルリード545MB/sec、同ライトが525MB/sec。ランダムリード10万IOPS、同ライト8万IOPS。250GBモデルがシーケンシャルリード540MB/sec、同ライト500MB/sec、ランダムリード9万7000IOPS、同ライト7万9000IOPSだ。
そのほか、SSDの信頼性や耐久性の指標となる総書き込み可能容量(TBW)は250GBモデルが100TB、500GBモデル200TB、1TBモデル400TBで、保証期間は3年間となっている。
WD Blue SSDスペック表 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
型番 | WDS250G1B0A | WDS500G1B0A | WDS100T1B0A | |||
製造プロセス | 250GB | 500GB | 1TB | |||
NANDフラッシュタイプ | TLC NAND | |||||
コントローラー | 非公開 | |||||
シーケンシャルリード | 540MB/sec | 545MB/sec | 545MB/sec | |||
シーケンシャルライト | 500MB/sec | 525MB/sec | 525MB/sec | |||
ランダムリード | 9万7000IOPS | 10万IOPS | 10万IOPS | |||
ランダムライト | 7万9000IOPS | 8万IOPS | 8万IOPS | |||
MTTF(平均故障時間) | 175万時間 | |||||
TBW(総書き込み容量) | 100TB | 200TB | 400TB | |||
製品保証 | 3年間 | |||||
実売価格 | 9000円前後 | 1万6000円前後 | 3万2000円前後 |
容量や最大パフォーマンスなどが異なり、内部を比較していないので、断言はできないが採用するコントローラーや、表面がプラスチックで裏面が金属になっている筐体、2.5インチとM.2 2280タイプがあり、比較的最近登場したモデルである点を踏まえると、「WD Blue SSD」はSanDiskのビジネス向けSSDとして販売されている「X400」シリーズがベースになっている可能性が大だろう。
「WD Blue SSD」のパフォーマンスをチェック
ここからは1TBモデル「WDS100T1B0A」を使って、「WD Blue SSD」のパフォーマンスを見ていくことにしよう。
ベンチマークソフトは定番となっている「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」、「ATTO Disk Benchmark 3.05」、「CrystalDiskMark 5.2.0」の3種類を使用。
「WDS100T1B0A」とは別に用意したSSDからOSを起動。「WDS100T1B0A」になにもデータが書き込まれていない状態でベンチマークを実行している。テストに使用したPC構成は以下の通りだ。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i7-6700K」 (4GHz/TB時4.2GHz、4コア/8スレッド) |
マザーボード | ASUS「Z170M-PLUS」 (Intel Z170 Express) |
メモリー | G.Skill「F4-3000C15Q-32GRK」 (PC4-24000、8GB×2) |
グラフィックス | CPU内蔵GPU(Intel HD Graphics 530) |
SSD | Samsung「SSD 950 PRO」(M.2 512GB) Western Digital「WD Blue SSD 1TB」(SATA3、1TB) |
電源ユニット | Seasonic「SS-750KM」 (750W/80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 PRO(64ビット) |
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