最新のビデオカードNVIDIA GeForce GTX1080と、CPUもCore i7-6700Kをセットにした自作PCセット「パーツの犬」VR-001。この組み合わせだけでかなりポテンシャルが期待できるわけだが、その分、マシン内部に発生する熱も高いことが予想される。それでは本機の熱対策はどのようになっているだろうか。筐体となっているフルタワー型ケースENERMAXの内部について検証してみる。
ケース前面と上面は二重構造となっており、その隙間を空気が流通
フルタワー型ケースENERMAXは前面、側面、上面に空気の取り入れ口はない。筐体内部への空気を取り入れるもっとも大きな口は底面となる。底面には2つの空気の取り入れ口があり、そこから入った空気は筐体内部へ直接入る。暖かい空気は軽くなり、上に上がることを考えると、もっとも冷たい空気を底面から取り入れるのは合理的だろう。
また、ケース前面と上面の内部は二重構造となっており、空気がその隙間を流れるようになっている。下の側面を開けた写真をみると、右側の前面、それから上面が厚くなっているように見えるが、その中が空洞になっているのだ。この二重構造は空気の流れはもちろん、静音性の確保にも役立っている。
電源ユニットは750W。現在主流の500Wよりも当然熱を発生しやすいが、背面から直接熱を逃がすよう、背面は網になっている。また、重量のある電源を最下部に設置することで、筐体の安定感も増す。
筐体中央に設置されているのがビデオカードNVIDIA GeForce GTX1080になる。取り付けには2つの拡張スロットを使う。ビデオカード自体には2つのファンがついており、底面からの空気を直接取り込めるよう、底面との間には障害物になるものはない。
マザーボードにも大型のファンのついたシンクが接続されている。底面、グラフィックボードなどからの熱は、このファンと背面のファンによって強制的に排気。熱を外へ排出する。
「パーツの犬」VR-001には前面に2つ、NVIDIA GeForce GTX1080に2つ、マザーボードに1つ、そして背面に1つのファンがあり、合計6つのファンが回る。その回転音が心配だったが、実際にはほとんど気にならない程度の音しか聞こえてこないので、ゲームのBGMや効果音などのジャマになることはないだろう。ベンチマークなどで高負荷を加えた場合もファンが高回転になったかどうかがわからないくらいであった。
「パーツの犬」VR-001基本セットのスペックと快適さ
「パーツの犬」VR-001基本セットのスペックは前回お伝えしたが、再度おさらいしておこう。CPU-Zを用いた結果は下記の通り。
Windowsマシンとしての快適さを測るWIN SCORE SHAREで計測してみたところ、トータルスペックが5.9ポイントという低さとなった。これはHDDのポイントが足を引っ張っている。グラフィックスに関してはさすがというべきか、これまでみた中では最高の9.1ポイントを記録した。
さらにCrystalDiskMarkを使って、WIN SCORE SHAREで足を引っ張ったHDDの速度を計測してみた結果は下記の通りだ。
シーケンシャルアクセスはそこそこの数値だが、ランダムアクセスがかなり遅いイメージだ。実際に操作した感じでは、読み書きが遅くてストレスがたまるということはなかったが、どうしても気になる人はSSDの導入を考えてみてもいいだろう。
ゲーミングPCとして考えた場合、CPU・グラフィックボードのポテンシャルがかなり高いことがわかる「パーツの犬」VR-001。次回は、グラフィックス性能やゲームの稼働について、ベンチマークなどを行ない、「パーツの犬」VR-001の実力を測ってみる。