【動画掲載】速さと快適性を両立させたベンツの頂点! Mercedes-AMG GT Sがスゴイ!
2016年09月03日 15時00分更新
精神的にドキドキハラハラの街乗り
快適すぎて気持ちのいい高速巡航
運転席に乗り込むと、まずはふたつの衝撃に襲われる。まず、シートポジション低い! そしてボンネット長すぎ! シートポジションは前回のポルシェよりも低く感じた。もちろん、シートについているスイッチで座面の位置などすべて調整することが可能だが。もちろん、今回も低いままで走る。そして、レイアウトがロングノーズショートデッキだからこその視点。前後重量バランスが限りなく50:50になるように作られており(実際は47:53)、座席のすぐ後ろに後輪がある感じ。FR(前エンジン、後輪駆動)ならではのスタイリングだ。また、乗り込むと自動的にハンドルが元のポジションに降りてくる。クルマから出るときには、ハンドルがちょっと上がって出やすくしてくれるのだ。こういう細かい気遣いがニクイ。
エンジンスタートは最近ハヤリのボタンでポチとな! とやる。キーは持っているだけでいいので、グローブボックスやドリンクホルダーに入れておけばOK。ボタンを押せば、メーターまわりの電気がつき、4リッターV8エンジンがけたたましく始動する。V8ならではの重厚なドロドロ音は、アイドリングしているだけでも“その気”にさせてくれる。ドイツ車というより、アメ車のような音に近い。センタートンネルのスイッチには「排気音を昔のメルセデスっぽくする」ものがあり、これをONにするとコンフォートモードでも排気音が大きく変わる。
ハンドルはアルカンターラ仕様なので、手に汗を握っても滑りにくいのがうれしい。この手のクルマを運転していると、緊張で手汗をかくことも多いので。アクセルもスポーツカーにありがちな踏み心地が硬いものではなく、とてもマイルド。街乗りでの微妙なアクセルワークが必要な場面でも安心だ。コンフォートモードであれば走り出しもジワ~っと前に出るので、いきなり急発進でビビってしまうこともない。
走り出して思ったのは、車幅が1940mmと大きいので都内だと走る場所を選ぶということ。ボディーが大きいので死角が多いのだが、これはボディー全体に張り巡らされたセンサーによって問題を解決している。例えば、クルマの周りに何か障害物があると、左右どちら側、どのくらいの距離にあるのかをインパネにあるメーターが教えてくれる。右に曲がるとき、クルマの左前に障害物があると、このメーターが左側に伸びていく。あとちょっとでぶつかっちゃうレベルまで近づくと激しい警告音とともにメーターはレッドゾーンに入る。ただし、あくまでも警告のみで自動的に止まるわけではないため、ブレーキを踏むなり方向を変えるなりしないと、ぶつかってしまって悲しい思いをするだろう。
サイドミラーにも死角を教えてくれるギミックがある。サイドミラーで補足できない場所にクルマがいると三角形のランプが赤く光り(通常はオレンジ)、さらに車線変更しようとハンドルを動かすと、こちらも激しい警告音とともに赤いマークが点滅して教えてくれる。この装備は高級車にはだいたい付いているようだが、サーキットが主戦場と言えるこのクルマにも搭載しているのは、さすがメルセデス・ベンツだ。
街乗りで重要な車高だが、フロントのほうがリアより低くなっており、最低地上高は115mm。ホイールもフロントが19インチ、リアが20インチとローテーションできない仕様になっている。普通に道を走っているだけなら意識しなくてもいいが、コンビニやガソリンスタンドに入るとき、また踏切を通過するときや急な坂になっているスロープがある駐車場では神経を使う。輪留めに頭から突っ込むときも要注意だ。だが、ゆっくりと操作すればたいていのところには入っていけたので、実用性も兼ね備えていると言える。
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