最新パーツ性能チェック 第197回
安価なSanDisk「SSD PLUS」の使いどころは!?
コスト重視のPC自作に狙い目のSanDisk「SSD PLUS」
2016年08月11日 12時00分更新
SLCキャッシュあふれによる
パフォーマンスダウンをチェック
NANDフラッシュメモリーの一部をSLCキャッシュとして利用することで、パフォーマンスをアップさせているTLC NAND SSD。そのため大容量の書き込み作業を行なうとSLCキャッシュがあふれてライト速度が低下してしまうことも。
「CrystalDiskMark」のテストデータ“32GiB”で、「SSD PLUS(J26/J26C)」は速度ダウンが発生するか再度計測してみると、シーケンシャルライト、ランダムライトがダウン。DRAMキャッシュ非搭載なのも影響してか、「4K Q32T1」は120GBモデルで50.85MB/sec(1GiB時251.3MB/sec)、480GBモデルは90.81MB/sec(1GiB時279.4MB/sec)まで低下している。
480GBモデルで、どの辺りの容量でキャッシュあふれが発生するのか試すと、「4K Q32T1」は4GiBあたりから計測結果に波が出はじめ、テストデータの増加とともにライト速度は低下していった。
コスパを重視しつつ
SanDiskの信頼性に期待
TLC NAND採用になったSanDiskの新型エントリー向けSSDの「SSD PLUS」。DRAMキャッシュ非搭載の影響や、キャッシュあふれによるライト速度の低下と、パフォーマンス面は、いまひとつと言わざるを得ない。
しかし、フラッシュメモリー関連メーカーの巨人であるSanDisk製という安心感は、新たなメーカー(マイナーブランドとも言う)の製品が続々と登場しているエントリー向けSSDのなかでは、十分に選ぶに足る理由となるだろう。
2000円程度予算を増やせばメインストリーム向けのSSDも視野に入るので、SanDiskの安心感とSSDならではのキビキビした操作感といった恩恵を受けつつ、とことんコストを抑えたウェブ、メール用途のPC自作や、Word、ExcelがメインのビジネスPC、旧型ノートPCのパワーアップをしたい場合などに使うといいだろう。
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