2015年度は営業利益を黒字になったVAIO株式会社
奇抜なカラバリの「VAIO C15」が新登場 VAIOの新事業は今年度中に発表か
VAIOは、発表会を都内会場で7月26日に開催。新型A4ノートPC「VAIO C15」を発表したほか、海外販路の拡大、2016年度の経営方針の解説を行ないました。
「VAIO C15」はインテリアのように選んでもらいたいノートPC
新製品として発表されたのは15.5型のA4ノートPC「VAIO C15」。デザイン、おもにカラーバリエーションと見た目の質感に重きをおいたモデルとなり、カラーバリエーションは「ホワイト/カッパー」「ネイビー/グレー」「イエロー/ブラック」「オレンジ/カーキ」の4色。
カラーバリエーションごとに、色合いにあわせてメタルな質感を出しているのが特徴的。また、IMRによるフィルム加工となっており、他社製品ではほとんど見たことがない、キーボードやタッチパッド部での色の切り替えが施されています。
既存の「Z Line」「S Line」の製品がVAIOファンやビジネスマンをターゲットにしているのに対し、今回のC15は、30〜40代のDINKS(子どもをもたず、共働きするライフスタイル)の方やファミリー向け。そのため、スペックはZやSに比べて見劣りするものの、ウェブ閲覧やMS Officeの利用などはできる最低限のスペックと買いやすい価格を両立したモデルとなっています。
なお、基本スペックはVAIO OWNER MADE仕様の場合、CPUはCore i3-5005U(2コア/4スレッド、2GHz)もしくはCeleron 3215U(2コア/2スレッド、1.7GHz)。ディスプレーは15.5型でフルHD解像度(1920×1080ドット)の光沢仕様もしくはHD解像度(1366×768ドット)の非光沢仕様。メモリーは8GBもしくは4GB。ストレージは500GB HDD、1TB HDD、1TB Hybrid HDD。OSはWindows 10 Pro、10 Home、7 Professional SP1(いずれも64ビット)から選択可能。
DVDスーパーマルチドライブは標準搭載。インターフェイスはUSB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI出力、有線LAN(1000BASE-T)、SDXCカードスロット。ワイヤレスはIEEE 802.11a/b/g/n/acとBluetooth 4.1(Windows 7選択時は4.0)に対応しています。
価格はVAIO OWNER MADE(ソニーストア)では6万6800円(税抜)から。家電量販店向けなどでは、CPUがCeleron 3215U、メモリー4GB、ストレージ1TB HDD、光沢仕様のHD解像度ディスプレー、OSをWindows 10 Homeに固定されたモデルが販売予定で、予想実売価格は9万4800円(税抜)。
いずれも発売予定日は8月5日ですが、「イエロー/ブラック」に限り9月9日となります。ソニーストアではすでに受注を開始しており、「イエロー/ブラック」の受注開始は9月1日午前9時から開始される見通しです。
VAIOは2015年度で営業利益を黒字化
2016年度はPC・EMSにつづく第3の事業を立ち上げ
VAIO株式会社は2014年7月にソニーのPC部門から独立。2015年度は当初から行なっていたPCの設計・製造に加えて販売やサポートも開始。さらに、米国とブラジルでの販売もスタートさせました。
VAIO株式会社の大田義実社長が「予想外に早く(事業として)立ち上がった」と語ったのはEMS(製造受託)事業。VAIO本社である安曇野工場では、VAIOの強みである設計や製造技術を生かして、ロボティクスやIoT、 ファクトリーオートメーションの受託製造を担当しています。
たとえば、DMM.make ROBOTSを通して販売されている富士ソフトのロボット「Palmi」、株式会社Moffのスマート玩具「Moff Band」、テラダ・ミュージック・スコアの楽譜向け電子ペーパー端末「GVIDO」もVAIO・安曇野工場で製造されています。
これらの効果があり、2015年度の営業利益は黒字化。2016年度からは、PC・EMS事業のさらなる安定化と、「第3の事業」の立ち上げを目指していく方針です。第3の事業が何なのかは、今回の発表会の時点では詳細が明かされませんでしたが、VAIO単独で行なうケース、EMS事業のようにVAIOブランドをあえて出さないケース、他社とのジョイントベンチャーを立ち上げVAIOブランドを活用するケースなど、さまざまなパターンを検討し、本年度中に発表を行なう予定のようです。
一方で、大田社長は課題点も列挙。国内外を問わず、PC市場が縮小していることをまず挙げていましたが、「数量を追わず、頻繁なモデルチェンジを行なわず、ターゲットとコンセプトを明確にした」モデルを提供し続けるとのことで対応していくとのこと。
さらに、「VAIO Phone Biz」で採用しているWindows 10 Mobileに関しても、マイクロソフト、ドコモ、ダイワボウ情報システムと共に、現状よりさらにマーケットを開拓していくとしており、法人営業の強化やキャンペーンなども予想されます。
大田社長は「(黒字化したとはいえ)飛行機で言えば、VAIOはまだ離陸した段階」であると述べ、今後もさらなる発展と、安定的で継続可能なビジネスをつづけていくとしています。
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