平日週5日の「働き方」は変えられるか?転職メディア「パラフト」
目指すのは世界中の人達の『未来の働き方』
日本だけに限定されない職の在り方
パラフトの今後の展開としては、より求人件数を増やすための仕組みの導入がある。取材型の求人記事だけでなく、企業が独自で掲載できる投稿型の求人記事も追加されていく。当面は、無料出稿できるトライアルプランを入り口として、掲載企業数の増加を加速させる予定だという。「メディアサービスを作り続けるのは労力も資金もかかり大変だが、今の形を続けることで我々のメッセージを世の中に発信していきたい」(山田氏)
次期の目標に掲げる掲載企業数500社を迅速に達成したいとしながらも、一方で経営の視点はすでに世界を見据えている。新たな働き方を望む人と企業が増える中で考えるのは、「30年後も必要とされるサービスをやっていきたい」(山田氏)という点だ。
そのための1歩としてパラフトは、2017年には世界展開を始める予定だ。中でも目をつけているのがアジアで、戦略としてまずはインド、2年後くらいからインドネシア、タイ、バングラディッシュ、マレーシアなどに広げる考えだという。パラフトがグローバルになったとき、日本だけにとどまらない「自由な働き方」がより見えてくる。
「我々が子どものときにやった『人生ゲーム』には、それまで知らなかった職業があった。だが、日本の就職活動では出てこない職種だったので、海外ならばあるのではないかと興味を持つようになった。世界に目を向け、グローバルな視点で職種やワークスタイルの情報を発信することで、世界中の人達の多様な可能性を広げることができる」と、山田氏はパラフトの世界展開に夢をはせる。
人材メディアによるインド進出で生まれる多様性
国内での働き方は日々さまざまな議論が出ているが、パラレルワークの中身を見ると実情としてはまだハイスキルで高いパフォーマンスを前提としたものになっている。とはいえ、これまで「場所や時間ではない『成果』を評価軸に仕事をしたい人」にとっては、そもそもが難しい環境だったはずだ。国内での「新しい働き方」への目線自体は、働き手不足の流れもあり、大手企業も含めて全国的に拡大しつつある。さらなる多様性が育つには時間がかかるだろうが、経営者側の危機感も含めて、その規模がふくらんでいる。パラフトでのスケールメリットが出るのもこれからとなる。
シンガポールなどから始まるアジア展開はスタートアップであればよく聞く形だが、いきなりインドに飛ぶというのが衝撃的で、その先での成果が気になるところだ。新たに海外に乗り込み、海外と国内の優秀人材の多様な働き方支援が拡大することで、パラフト自体のブランディング価値はどう変わるのか。採用による成果報酬モデルにもよらず、また既存のプラットホームにもよらない人材メディアの可能性に期待したい。
なお、パラフトの海外展開において、実際にインドで活動するのは中川氏になる予定。
新規市場の開拓を得意とする中川氏は、インド視察に意欲を見せる。まずは年内に、中川氏が自らインドを一周しながら、現地の様子を肌で感じてくる予定だ。「世界にはまだ日本人が知らないさまざまな価値観にもとづく暮らしや働き方がある。厳しさもあるだろうが、より多くの人が選択肢と可能性を持つことができるよう、最善を尽くしたい」と中川氏は語った。
新しい世界へ切り込んでいくパラフトがどう成長していくのか要チェックだ。
●パラフト株式会社
2014年12月設立。多様な働き方の企業情報を掲載する『未来の働き方』ができる転職・求人メディア「PARAFT(パラフト)」を展開。
自己資本が主で、調達などは未実施。アジアを中心に海外展開も始動予定。
スタッフは約15名。事業責任者候補、営業、営業事務、編集、エンジニア、デザイナーなどを募集中。