高さ10.4mm(最厚部11.2mm)の世界最薄ボディ
「HP Spectre 13-v000」を手にすると、あまりの薄さに驚くことだろう。高さは最薄部で約10.4mm、最厚部でもわずか約11.2mmしかない。PCというよりも、1枚の板を手にしているような感覚だ。ちなみにこの薄さは、クラムシェル型ノートとしては世界最薄とのこと。タブレットで薄型のボディを実現しているものは多いが、クラムシェル型ノートでこれだけスリムなのは驚異的だ。「HP Spectre 13-v000」を知らない方に「薄型タブレットの新製品だ」といって渡すと、そのまま信じてしまうかもしれない。
重量約1.1kgながら、軽量ノートにありがちな頼りなさはナシ
重量はカタログ値で約1.1kgとされているが、実測では約1.09kgだった。電源ケーブル込みだと、約1.47kgとなる。実際に手に持つと、ややズッシリとした手応えを受ける印象だ。ただし、繰り返しになるが約1.09kgという重量だけあって、決して重いわけではない。この手応えなら、例えば公園のベンチや電車の中で座って、ヒザの上に置いて作業するといった際にはほどよい安定感が得られるだろう。軽量なノートにありがちな、液晶デディスプレー側にひっくり返ってしまいそうな頼りなさがないため、うれしい方は多いのではないだろうか。
削り出しのアルミ素材とカーボンファイバーで高い剛性を実現
先に触れたように、「HP Spectre 13-v000」は最薄部約10.4mm、最厚部でも約11.2mmしかない。ここまで薄いとなると、剛性が気になるところだろう。いくら薄くても、圧力やねじれに負けて壊れるようでは話にならない。
まず「HP Spectre 13-v000」のボディを素材面から見てみよう。
天板とパームレストは、鋳造(アルミを溶かして型に流し込む)ではなく、あえてアルミの塊からコストのかかかる削り出しにより製造している。インゴット(塊)から削り出したアルミ製のパーツは剛性が非常に高く、さまざまな高級機で使われているおなじみのものだ。
底面部は一見すると同じ素材が使われているように見えるが、ここでは削り出しのアルミ素材ではなく、カーボンファイバーが使われている。これも剛性と軽さを備える高級素材としておなじみだ。通常カーボンファイバーをそのまま使うと網目状の繊維が見えるのだが、「HP Spectre 13-v000」の底面部では入念な塗装とコーティングが施されているのか、見た目は天板部分とまったく同じで統一感がある。
ただし触ってみると、天板部と底面部の違いがはっきりとわかる。熱伝導率の高いアルミ素材を使った天板部分は触れるとひんやり感じるのに対し、熱が伝わりにくいカーボンファイバーを使った底面部では温度差はあまり感じられなかった。そのぶんケースからの放熱効果はあまり期待できないが、「HP Spectre 13-v000」にはデュアルファンが搭載されているので排熱的には問題ないだろう。仮に内部が熱くなったとしても底面部にまで熱が伝わりにくいのので、ひざ上で使っても熱さを感じることはない。
それでは実際の剛性についてだ。日本HPは「HP Spectre 13-v000」が300kgfの天面加圧試験をクリアーしたと公表している。満員電車の中でギュウギュウと押されても壊れにくいということだ。面としての強さはそれなりにあるものの、本体の両端を持ってねじるように力を入れてみると多少のゆがみが生じた。だがこの薄さであれば、多少はやむを得ないだろう。せっかくの美しいボディーが傷つかないよう保護するという意味でも、付属ケースや別売のバッグ「HP Spectre レザークラッチバッグ」を利用することをオススメしたい。