VegaコアのRadeon RX 490は来年発表か?
さて、ここからは今後の話である。Polarisはバランスこそいいものの、絶対性能的にはミドルレンジでしかない。これはそもそもPolarisの目的が「100~300ドルレンジのシェアを握る」である以上仕方がない。
とはいえ、ミドルレンジ「だけ」を出して商売が成立するかというと難しく、グラフィック用とは別にサーバー用途やGPGPU的な用途も当然考えねばならず、ここに向けた製品も必要となる。
それがVegaコアで、より高性能な、つまりCU数を増やしたモデルである。当初は2017年に投入とされていたものだが、最近これが2016年10月に前倒しになったという話が出ている。
要するにNVIDIAのGeForce GTX 1070/1080への対抗馬がもう少し早期に必要という話である。ただこの先がよくわからない。少なくともVegaの世代にはVega 10があり、おそらくほかにVega 11の2種類のダイがあると思われる。
このVega 10についてはRTG(RAadeon Technology Group)総責任者であるRaja Koduri氏が6月23日にこんなツイートを発している。
Design team is thrilled with your response. Celebrated a milestone with the team. Long way to go before you see it pic.twitter.com/duQVBBGict
— Raja Koduri (@GFXChipTweeter) 2016年6月23日
「設計チームはあなた方の反応にわくわくしている。マイルストーンの1つを達成した。ただし(設計しているものを)目にするまでにはまだだいぶかかる」というもので、同時に掲載されている写真は「VEGA 10のお祝い」である。文字通りに解釈すれば、VEGA 10のなにかが完成したお祝いである。
同じ日の別の写真では、上海の設計チームが勢ぞろいといった感じでお祝いをしている。
Incredibly proud of our gpu design team here in shanghai that delivered polaris family and next Vega pic.twitter.com/ejvFJW1DoY
— Raja Koduri (@GFXChipTweeter) 2016年6月23日
ここからは筆者の推定であるが、これだけ多数の人間がお祝いをするほどのマイルストーンであれば、上流設計レベルではないと思われる。
まだVEGAに搭載されるGCNにどんな変更が加えられるのかなどは知りようがないが、そのレベルの設計であれば、もっと少人数の作業になる。したがって、実際にはVEGA 10の論理設計もしくは物理設計のどちらかが完了というあたりだろう。
もしこれが論理設計の完了であれば、ここから1年ほどかけて物理設計が始まることになる。するとチップが出てくるのは2017年後半、それも下手をすると第3四半期あたりになる。
これは確かに“Long way to go before you see it”と表現するに相応しい。ただし、それだと2017年中の出荷というのはかなりクリティカルである。
一方これが物理設計だとどうか? これからファウンダリーに入れるから、最初のチップが出てくるのが今年9月末~10月あたり、そこから評価テストを行なって、OEMメーカーにテストチップが出荷されるのが早くて年末。製品の発表が来年のCESあたりになる。
これは現実味のあるシナリオであるが、“Long way to go before you see it”と表現するにはやや大げさな感じだ。
このあたりはさまざまなサイトが独自解釈を展開しており、おおむねVEGA 10が次に出るRadeon RX 490グレードになると推定しているが、あえて違う説を唱えてみたいと思う。
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