IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 6月13日~6月19日分
国内ビッグデータ市場は+32%の高成長、インターネット成長率、ほか
2016年06月21日 07時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、調査会社などが先週1週間に発表したIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてざっくりお伝えしています。
■[生活]2020年までにIPトラフィックは3倍近く増加(6/13、シスコシステムズ)
・2015~2020年、世界のIPトラフィックは年平均成長率+22%で推移
・5年間でインターネットユーザーは+10億人、デバイスは+100億台増加へ
・M2M接続は3倍近く増加し、接続デバイス全体の約半数を占めるようになる
シスコによる2015~2020年のインターネット成長予測。2020年には総トラフィックの79%が「ビデオトラフィック」になること、スマートフォンやタブレットなどPC以外のデバイスによるトラフィックが71%を占めるようになることなども予測されている。
平均的なインターネットユーザーが1カ月間に生み出すトラフィック量は、2015年の18.9GBから2020年には44.1GBと2倍以上になると予測(出典:シスコシステムズ)
■[市場]2015年の国内ビッグデータ関連市場は+32%の高成長(6/13、IDC Japan)
・2015年市場規模(実績値)は947億7600万円、前年比+32.3%の高成長
・2020年まで年平均成長率+25.0%で拡大し、889億円規模に達すると予測
・新規採用ではパブリッククラウドの利用が急速に広がっている
ビッグデータ関連のテクノロジー/サービス市場についての予測。ビジネスアナリティクスだけでなく、IoTやコグニティブ/人工知能の取り組みでもビッグデータ基盤が必要とされるため、市場は高成長で推移することが予測されている。
国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場予測、2014~2020年
■[市場]2015年の国内ITインフラ市場、「クラウド基盤」へのシフトが加速(6/15、IDC Japan)
・2015年の国内ITインフラ市場規模(実績値)は7502.5億円、前年比+8.5%
・スイッチが前年比+25.2%と高成長、サーバーやストレージもプラス成長
・プライベートクラウドなど、クラウド基盤としてのITインフラ出荷額が前年比+80.4%と高成長、全体の15.6%(前年比+6.2pt)を占める
ITのクラウドシフトが進む中、ITインフラ製品は売れなくなるのではなく、むしろその基盤として出荷が堅調となっている。なお出荷額のコンポーネント別内訳は、大まかにサーバーが68%、ストレージが26%、スイッチが6%。
2015年、国内エンタープライズITインフラストラクチャ市場 ベンダー別出荷額シェア(実績値)
■[市場]2015~2020年の国内セキュリティ製品/サービス市場予測(6/16、IDC Japan)
・2015年の国内セキュリティ製品市場(実績値)は2699億円、前年比+5.5%
・2020年までは年平均成長率+4.7%で推移し、3403億円規模に
・国内セキュリティサービス市場は2020年まで年平均成長率+5.2%で推移、8757億円に
デジタル変革、そしてオンプレミス/クラウドのハイブリッド利用に変化していくことで、これまでのような「境界防御」が難しくなるとIDCは指摘。セキュリティアーキテクチャそのものの大幅な見直しが求められている。
国内セキュリティソフトウェア市場 売上額予測、2013年~2020年
■[市場]2015年の国内脆弱性診断市場は前年比+19.6%(6/15、ITR)
・2015年の国内脆弱性診断市場は11億円、規模は小さいが高い伸びを示す
・2015~2020年の年平均成長率は16.4%で推移、24億円規模に
・「特にWebシステムにまつわる脆弱性は今後さらに問題視される」と指摘
「脆弱性診断」は、システムへの疑似攻撃やスキャニングの手法を用いて、脆弱性を検出するセキュリティ製品/サービス。サイバー攻撃が高度化し“素人”では太刀打ちできなくなる中で、こうしたサービスへの需要は確実に高まっている。
国内脆弱性診断市場規模推移および予測、2014~2020年
■[ユーザー動向]大半の企業は「データ保護能力に自信がない」(6/14、ジェムアルト)
・3分の1の組織が過去12カ月間にデータ漏洩を経験
・境界防御に失敗した場合、機密データの保護に自信がないとの回答が69%
・16%は権限のないユーザーが自社ネットワーク全体にアクセスできると回答
データ保護/暗号化製品のセーフネットを擁するジェムアルトによる、世界のIT意思決定者(ITDM)1100名に対する調査。セキュリティ投資動向なども尋ねており、企業側も、境界防御だけに頼るのではなく、暗号化やアクセス制御などに目を向けていることがわかる。
データ漏洩を経験した回答者(708名)に対する質問「最新のデータ漏洩の原因は内部/外部のどちらですか」。従業員のミスや内部犯行も65%を占める
■[セキュリティ]2015年度のサイバー攻撃動向(6/17、ラック)
・2015年度通年、および2016年第1四半期の
・2015年12月以降、ジュニパー、フォーティネット、パロアルトの各OSで脆弱性報告
・「Bedep」マルウェア(ダウンローダー)の感染事例が急増
ラックのJSOCが監視するIPS、サンドボックス、ファイアウォールで検知した攻撃をまとめたレポート「JSOC INSIGHT vol.12」。日本の顧客が実際に直面した脅威のデータと考えられる。各社ネットワークOSの脆弱性、Bedepマルウェアについての技術的に詳細な解説も含まれる。
インターネットからの攻撃による重要インシデントの要因内訳、2015年度(出典:ラック)

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