IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 5月30日~6月5日分
デジタル化を担う部署はどこか、病院のランサムウェア被害額、ほか
2016年06月07日 07時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、調査会社などが先週1週間に発表したIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてざっくりお伝えしています。
■[ユーザー動向]“デジタル化”を担うのは社内のどの組織か?(6/1、ガートナージャパン)
・新世代の「デジタルテクノロジー」を利用予定/実績がある国内企業は全体の約5割
・実装担当の組織、「従来のIT部門内の専門チーム」が約4割
・一方で、従来のIT組織とは別の「新組織」を立ち上げる企業も3割弱あった
IoTや3Dプリンタ、ウェアラブル端末、ロボット、スマートマシン、ソーシャルメディアなど、次世代のテクノロジーを「デジタルテクノロジー」と定義し、日本企業における取り組みを調査。社内のIT人材とビジネス人材の両方が一体となって推進していく必要がある。
■[セキュリティ]2016年第1四半期のセキュリティ脅威レポート(5/31、カスペルスキー)
・同四半期にランサムウェアの攻撃を受けたユーザー数は37万超、+30%増加
・新たに確認されたランサムウェア亜種は2,900、前四半期比+14%増加
・検知したランサムウェア上位はTeslaCrypt(58.4%)、CTB-Locker(23.5%)、CryptoWall(3.4%)
上記ランサムウェア被害の数値はカスペルスキー製品が検知できたものだけなので、実数はこの数倍と考えられる。企業、個人を問わず、まずは日ごろからバックアップを取っておく、いつでもリカバリできるようにしておくという対策をお願いしたい。
■[セキュリティ]医療機関はランサムウェア対策にどれだけコストをかけるべきか(5/30、インテル セキュリティ/マカフィー)
・ランサムウェアの標的の1つが、機密性の高い個人情報を扱う医療機関
・被害に遭った場合、“身代金”だけでなくダウンタイムコストなどもかかる
・ある事例に基づきインテル セキュリティが総コスト/損害額を算出
こちらもランサムウェアの話題。闇市場で売買される個人情報の単価が下がり、攻撃者は“もっと儲かる”ビジネスモデルとしてランサムウェアに注目している。デリケートな情報を扱うにもかかわらずセキュリティ対策の行き届いていない医療機関は狙われやすいターゲット。同社試算では、1インシデントの被害額合計は「70万ドル~150万ドルに上る可能性」があるとしている。
■[ユーザー動向]国内の約45%の企業がクライアント仮想化を導入済み/検討中(5/31、IDC Japan)
・クライアント仮想化はアーリーマジョリティ層まで浸透している
・導入障壁/阻害要因の上位は「初期導入コスト」「移行作業」「仕様選定」
・モバイルやクラウドアプリの混在する“第4世代ワークスペース”を導入済みは13.1%、導入意向があるのは41.6%
2016年3月のユーザー調査。「約45%」という数字の高さには驚かされるが、内訳は「検討中」の割合がまだ多いと思われる。とはいえ、コストがさらに下がってくれば大きな動きになるのは間違いないだろう。
■[市場]2015年国内企業ネットワーク市場は前年比成長+5.6%(6/1、IDC Japan)
・2015年の国内企業向けネットワーク機器市場は2,131億円(前年比+5.6%)
・DC向け中心にEthernetスイッチ(+6.3%)、またオフィス無線LAN(+9.3%)の利用拡大が成長を牽引
・2015~2020年の年平均成長率は+0.7%、大きな成長はないが安定した市場
企業向けのEthernetスイッチ、ルーター、無線LAN機器の各市場を調査。3つの分野でいずれもシスコシステムズがシェア首位、市場全体では47.8%を占める。「全般には低成長市場だが、たとえばIoTにおけるNon-ITデバイスの接続など、局所的には成長領域が残っている」とIDC。
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