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最新パーツ性能チェック 第192回

最大10コア/20スレッドのBroadwell-E登場!新Turbo Boostの挙動検証&全モデル比較

2016年05月31日 15時00分更新

文● 加藤勝明 編集●ジサトライッペイ

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今回入手したBroadwell-E版Core i7はいずれもエンジニアリングサンプル(ES)版。

 2016年5月31日、インテルはエンスージアスト向けのハイエンドCore i7の製品群を14nmプロセス世代の「Broadwell-E(開発コードネーム)」にリフレッシュした。今回投入された製品はCore i7で史上最多となる10コア/20スレッドとなる『Core i7-6950X』を含めた合計4モデルだ。

 ソケットLGA2011-v3を採用したCore i7-5900/5800シリーズ(Haswell-E)の登場が2014年8月。エンスージアスト向けのCore i7はコア数が多く、PCI Expressやメモリーの帯域も広いため「長く使える」ことがウリだったが、登場から2年近くが経過したということで世代交代が必要だと考えていた人も多いことだろう。

 今回はそのHaswell-Eの後継である、Broadwell-Eの全モデルを入手できた。果たして先代のHaswell-Eやメインストリーム向けのSkylake版Core i7と比べてどの程度速いのか、ベンチマークなどを交えつつ検証してみたい。

最上位に10コア版を追加し、4モデル構成に

 まずはBroadwell-E版Core i7のすべてのラインアップとスペックを確認しておこう。プロセスルールがシュリンクすれば発熱量も下がるのが普通だが、TDPは従来と同じ140W。1コアあたり2.5MBのL3キャッシュを搭載する点も変わらない。対応BIOSが必要になるが、既存のX99チップセット搭載マザーボードとDDR4メモリー(クアッドチャンネル)が流用できる。

Broadwell-E世代の新4モデルとHaswell-E世代3モデルの比較。

 だがBroadwell-Eの最上位モデル「Core i7-6950X」はCore i7では初の10コア/20スレッドというとんでもない仕様となった。動画エンコードやCG作成といったアプリでないかぎり、多コア化するメリットはないが、タスクマネージャーに20個のグラフが並ぶのは壮観の一言だ。ただし、価格も21万円前後とこれまで以上にプレミア感のある設定になっている。

Core i7-6950Xの内部構造。10基のコアと、それを挟み込むようにメモリーコントローラーやPCI Exrpressインターフェースなどが配置されている。Skylakeと違い内蔵GPUはない。

Core i7-6950Xのタスクマネージャー。ズラリと並んだ20個のグラフを見れば、理由もなく全コアに負荷をかけたくなるはずだ。

Core i7-6950Xの情報を「CPU-Z」でチェック。最下部の「Cores」が10になっている。

8コア/16スレッドのCore i7-6900K。L3キャッシュも下位モデルより増えている。

Core i7-6850Kから下は6コア/12スレッドとなる。動作クロックはSKUの中で最も高い。

最下位のCore i7-6800Kの情報。

 Broadwell-Eは既存のX99マザーでも運用できるよう設計されているが、基板部分はSkylakeと同様に薄くなっていたり、ヒートスプレッダーにウイングが張り出し保持しやすくなるなど、細部に変更点もみられる。

Core i7-6950X(左)とCore i7-5960X(右)の新旧比較。フットプリントや切り欠きの位置は同じだが、ヒートスプレッダが指でつまんでも脱落しにくいよう大きなウイングを備える。

Core i7-6950X(左)とCore i7-5960X(右)の裏面。ランドの配置は一見すると同じようだが、中央のキャパシター配置が大きく異る。

側面から見ると新旧の違いがよくわかる。Broadwell-Eの基板はずっと薄いのだ。

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