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小室哲哉、藍井エイルがベンチャーテクノロジーと共演 つくばで技術と音楽のフェス開催

INNOVATION WORLD FESTA 2016

 テクノロジーと音楽のフェス“INNOVATION WORLD FESTA 2016”が5月14日に茨城県つくばの筑波大学で開催された。主催はFMラジオ放送局のJ-WAVEと筑波大学だ。

 大学会館のホールと講堂でライブや著名人によるセッション、ホワイエではスタートアップ企業がブースを出展。日の当たる中庭では飲食ブースがあり、校内の芝生の上で食事ができるなど、まるで学園祭のような雰囲気の中でイベントは行なわれた。

藍井エイルさんがスタートアップのサービスで演奏

 講堂やホールでは元LINE代表で、C Channelの森川亮代表取締役や夏野剛氏、IoTの第一人者さくらインターネットの小笠原治フェロー、起業家の堀江貴文氏、ジャーナリストの田原総一朗氏、メディアアーティストの落合陽一氏など豪華なゲストによる講演やセッションに加えて、アイドルやアニメ、エンターテインメントの未来を語るステージに、アーティストのライブパフォーマンスがあるテクノロジーと音楽が共演するイベント。

 ソードアート・オンラインやアルスラーン戦記などの多くのアニソン楽曲を歌うアーティストの藍井エイルさんはスタートアップ企業しくみデザインの『KAGURA』とコラボ。ARでディスプレーに表示されるボタンを体の動きを使って触れることで、画像処理とモーションセンサー、ジェスチャー認識により音楽を演奏できるシステムだ。

 藍井エイルさんはステージ上に設置されたPCでKAGURAのパフォーマンスを披露しつつ、『ラピスラズリ』など6曲を歌い、音楽とテクノロジーを融合させた。

学生、スタートアップが混じってプレゼン対決

 スポンサー企業のCHINTAI特設ステージでは、ベンチャー企業と学生による第一回INNOVATION WORLD ピッチコンテストを開催。“住まいとテクノロジー ~さがす・えらぶ・くらす~”をテーマに、スタートアップ企業は自社サービス、製品との組み合わせを、学生はアイデアを3分のプレゼンで競い合った。

 グランプリは筑波大学情報学群情報科学類の2年生、栗本真太郎氏のアイデア。それぞれ素性がわかりにくい借主、貸主のリスクを解消したいと、ヤフオク!やUberのようにユーザーとして相互に評価できるシステムがあれば安心して、お互いが信頼した状態でやり取りができる家探しができるとした。審査員をつとめた森川氏からは「アイデアを具現化してこそ、初めて起業家といえる」と期待を込めてはっぱをかけられていた。

音楽と技術を組み合わせたスタートアップ

 スタートアップの展示ブースでは、テクノロジーと音楽のイベントらしく、相性のいいJDSoundの『GODJ』が出展。現在、クラウドファンディングサイトMakuakeで支援を募集中の新製品『GODJ Plus』は先日、ストレッチゴールのひとつに設定してた3000万円を突破。最終的には4000万円を目差す。常に人が絶えず熱心に製品に触れ、宮崎代表の説明に聞き入っていたのが印象的だった。

 もう1社、音楽とイノベーションを起こそうとしていた企業が『NAIN(ネイン)』だ。スマートフォンのメッセの内容などを音声で読み上げてくれるヘッドフォン型のハードウェアを開発中。音楽を聞いていても通知を受け取れて、簡単な返信も可能になる。

方向を示すストーン型ガジェットがおもしろい

 ハードウェアとソフトの組み合わせで、たくさんの「YEAAH」を生みだしたいとするのがスタートアップ企業YEAAHだ。ライブ会場でペンライトの変わりにスマホのディスプレー全面に色を発行させるライブアプリ『ペンライト de YEAAH』や、スマートフォンと連動する位置情報ハードウェアガジェット『Compass Stone』を展示。

 Compass Stoneは8個のLEDが設置された石ころのようなガジェットで、専用の地図アプリと連動して目的地の方角をLEDの点灯で示すというアイデア製品。まるでRPGのアイテムのようなガジェットが子供心をくすぐる、イベントなどと連携したら、おもしろそう。

 またアマチュアスポーツを応援するアプリを開発するSPLYZA(スプライザ)は、スポーツ中の動きを軌跡にできる残像動画を撮影できる『Clipstro(クリプストロ)』、スポーツチームのメンバー管理や動画でプレーの分析などができるクローズドSNSアプリ『spoch』を出展。

 土井寛之代表によると、「スポーツが強い大学だけに、何度も熱心にサービスを聞きに来る学生もいた」と、ふだんのスタートアップイベントよりも、より直接コンシューマーが触れてくれたことをよろこんでいた。

90年代直撃の小室哲哉氏のパフォーマンス

 イベントのラストを飾ったのは小室哲哉氏、光と音とダンスでアートを描く仙台出身のパフォーマンス集団“白A”とパフォーマンスで共演。往年の名曲『Get wild』やglobeの『Feel Like dance』など、おそらく来場者に多かった90年代のイノベーター世代を直撃した選曲だった。

 初開催のイベントだが、科学と音楽が交差して物語が始まりそうな学園都市で、雰囲気はどこか牧歌的な居心地の良さを感じた。関係者によると手ごたえも感じているようで、第2回の開催も期待したい。

■関連サイト
INNOVATION WORLD FESTA 2016

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