ミシガン大学は5月6日、世界の人々の睡眠パターンの研究成果を発表した。スマホアプリを公開して収集したデータによるもの。
研究チームは世界の人々の実際の睡眠時間を調査するため、「ENTRAIN」という無料アプリ(iPhone/Android)を2014年に公開した。ENTRAINは時差ボケを解消しやすいことを謳った就寝/起床時間のお知らせアプリで、タイムゾーンの異なる国へ旅行する際に睡眠時間帯を次第にずらすなどして時差ボケになりくくできる。
アプリにも「このデータは匿名にて研究に用いられる」と表示されているが、研究チームでは実際にこのアプリから世界100カ国、数千人単位のデータを収集した。その結果、国別の睡眠時間傾向や、女性は男性より平均約30分多く寝る、日光の下で過ごすことの多い人は室内で長時間過ごす人よりも多く寝る傾向があるといった傾向を見出すことができた。
国別睡眠傾向としては、早寝/早起き(アメリカやドイツ)、遅寝/遅起き(フランス、アラブ首長国連邦)などの差はあれ平均睡眠時間は約7時間で、日本人やシンガポール国民は平均より睡眠時間が少ない。研究チームでは、十分な睡眠を取ることは仕事の効率アップだけでなく生活習慣病になりにくいというCDC勧告を例に挙げるとともに、このような手法が低コストで信頼性の高いデータを収集するのに有効だとしている。