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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第355回

業界に痕跡を残して消えたメーカー MITSを追いかけたIMSAI

2016年05月09日 11時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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 業界に(なんらかの)痕跡を残して消えたメーカーを解説する企画、前回がMITSだったので、今回はそのMITSを追いかけたIMS Associatesを取り上げたい。こちらはIMSAI 8080を製造・販売した会社である。

IMSAI PCS-80

ソフト開発会社としてスタートした
IMS Associates

 IMS Associatesは1972年にWilliam Millard氏が設立した会社である。もっとも1972年にはすでにIMS Associatesという名称でコンサルティングビジネスを開始していたものの、会社組織として公式に設立されたのは1973年で、それまではフリーランスでビジネスをしていたらしい。

 もっとも会社組織といってもオフィスはMillard氏の自宅だったりするわけで、その意味では1973年は会社組織として登録した「だけ」でしかない。

 IMS Associatesのビジネスは主にソフトウェアであって、さまざまなシステム向けのソフトウェアを開発して納入する、というものであった。転機になったのは1974年で、同社はカーディーラー向けの「ワークステーション」を受注することになる。

 ターミナルやプリンター、HDDなどがセットになったハードウェアで専用のソフトウェアが動作する、というものである。少し前だと中小企業向けにオールインワンのシステムがよく販売されていたが、それのはしりとも言うべきものだろう。

 では、そのワークステーションをどう作るかである。1975年に入ってMITSがAltair 8800の広告を出したことはWilliam氏も当然知っており、これを利用することも一時期は考えたようだが、MITSに相談を持ちかけたところ、少なくとも3ヵ月以上待たないと製品が入手できないという返事があったらしい。

 さらにさまざまなオプションボードも同時に入手しないとシステムとして使い物にならないため、こちらまで入手するとなるとさらに待ち時間が長くなると踏んだようだ。

 またAltair 8800のキャビネットの構成は、IMS Associatesが望むような「システム」構成とするにはいろいろ難点があり、Altair 8800をベースに構築するのは問題が多すぎると判断した。

 ではどうするか? ということで「自分達で作れば良い」という判断になったのは当然であろう。Altair 8800の評価以前に同社はIntel 4004を利用したシステムの開発も行っていたようだが、Intel 8080と比較すると性能面ではお話にならないということで、新たに8080をベースとした、「商用向けに耐える品質の」製品を作り出すことにした。

 IMSAI 8080と呼ばれた製品のプロトタイプは1975年夏の終わりには完成していたようだ。同社はPopular Electronics誌の1975年10月号に、控えめに広告を出したが、反響は悪くなかったらしい。これに自信をつけたか、同社は1975年12月にIMSAI 8080の最初の50台の出荷を開始する。

広告は雑誌の110ページ目というかなり後ろの方。3段組のページの右一段の上半分(要するに1/6ページ分)という慎ましやかなものだった

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