IMSAI 8080の構成と価格は
Altair 8800とほぼ同じ
IMSAI 8080の基本的な構成はAltair 8800と同じである。バックプレーンはS-100バス(キットは6スロットで、別に22スロットオプションが提供された)で、フロントパネルに入出力のLEDとスイッチが配され、標準状態でのI/Oはこれだけ、というのもAltair 8800と変わらない。
ちなみにCPUボードにメモリーが一切搭載されていないのは、Altair 8800よりも潔いかもしれない。ただしスイッチはAltairよりもはるかに耐久性が高いものが採用され、またS-100バスのスロットはフロントパネルと直交する形で奥に伸ばされた。
また電源も、5V/30Aと±16V/3Aが提供されており、拡張カードを増やしても電源供給が不安になることはなかった。Altair 8800は控えめに言ってもホビー向けの域を出ることはなかったが、IMSAI 8080はこれをビジネス向けに耐える品質に高めたもの、としてもいいだろう。
また元々がソフトウェアの会社だったため、ソフトウェアにも気を配った。マイクロソフトはIMSAI 8080向けにもBASICやFortranを提供したし、やや後になるが1977年にはDigital Researchと契約してIMSAI 8080向けにCP/M Version 1.3のライセンスを受け、これをカスタマイズしたIMDOSと呼ばれるOSの提供も行なわれた。これもIMSAIのニーズを高めることに貢献した。
1976年に入り、IMSAI 8080の出荷は非常に順調であった。もはや当初のコンサルティング事業はほとんど行なわれておらず、これもあって社名をIMSAI Manufacturing Corporationと改める。
1977年には社員数が170名を超え、会社もビル2つと倉庫2棟を占めるほど大きくなった。当然ながら製品ラインも拡充された。まずはPCSシリーズと呼ばれるもので、1996年にはPCS-80/21・PCS-80/22を、1977年にはPCS-80/10・PCS-80/14・PCS-80/15・PCS-80/30・PCS-80/35・PCS-40/42/44が追加される。
画像の出典は、“カタログのPDF”
上の画像はPCS-80/30のものだが、3MHzの8085を搭載し、2.25KBのオンチップRAM(4/16/32/64KBのRAMボードと3KBのROMが拡張可能)、シリアル/パラレルポート、80行×24桁表示が可能なCRT、キーボードなどをパッケージ化したものだ。
さらに、5インチのFDDまで一体化したVDPシリーズも発売され、こちらもVDP-40/42/44やVDP-80/32(32KB RAM)・VDP-80/64(64KB RAM)などのラインナップが提供される。
画像の出典は、“CLASSIC TECH”
上の画像は1978年のVDP-80のデータシートの表紙であるが、当時のビジネス向けシステムに求められる機能と要求をほぼひとまとめにした形だ。後はプリンターだけ、用途に応じてつなげば完成といったところである。
価格そのものは9995~1万2995ドル(FDDやRAMの構成によって変化あり)だが、そもそもIMSAI 8080をベースに必要なものを追加していくと、おおむね同程度の価格になるうえ、ホビー向けではなくビジネス向けであることを考えたら、妥当な金額の範囲だろう。
昨今のPCの価格からしたら考えられないかもしれないが、例えば、価格も時代も違うが日本でもNECのPC-9801(初代)に漢字ROMや高解像度モニターやFDDを全部純正でそろえると、やはり軽く100万を突破していたことを考えれば、そう高いとは言いがたい。
こうしたオフィス向けシステムとは別に、8048をベースとした小型の8048 Control Computerや、8048 Express Control Computerといった組み込み機器向けシステムも1977年に発表するなど、同社は完全にコンピュータ製造メーカーに生まれ変わっていた。
画像の出典は、“IMSAI公式サイト”
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第873回
PC
「銅配線はまだ重要か? 答えはYesだ」 NVIDIA CEOジェンスンが語った2028年ロードマップとNVLink 8の衝撃 -
第872回
PC
NVIDIAのRubin UltraとKyber Rackの深層 プロトタイプから露見した設計刷新とNVLinkの物理的限界 -
第871回
PC
GTC 2026激震! 突如現れたGroq 3と消えたRubin CPX。NVIDIAの推論戦略を激変させたTSMCの逼迫とメモリー高騰 -
第870回
PC
スマホCPUの王者が挑む「脱・裏方」宣言。Arm初の自社販売チップAGI CPUは世界をどう変えるか? -
第869回
PC
半導体プロセスの新たな覇権! インテルのDNNプロセッサーはAMDやMetaを凌駕する配線密度と演算密度 -
第868回
PC
物理IPには真似できない4%の差はどこから生まれるか? RTL実装が解き放つDimensity 9500の真価 -
第867回
PC
計算が速いだけじゃない! 自分で電圧を操って実力を出し切る賢すぎるAIチップ「Spyre」がAI処理を25%も速くする -
第866回
PC
NVIDIAを射程に捉えた韓国の雄rebellionsの怪物AIチップ「REBEL-Quad」 -
第865回
PC
1400WのモンスターGPU「Instinct MI350」の正体、AMDが選んだ効率を捨ててでも1.9倍の性能向上を獲る戦略 -
第864回
PC
なぜAMDはチップレットで勝利したのか? 2万ドルのウェハーから逆算する経済的合理性 -
第863回
PC
銅配線はなぜ限界なのか? ルテニウムへの移行で変わる半導体製造の常識と課題 - この連載の一覧へ











