「これが日本の未来だ」
プレゼン後のオーディエンスの拍手、Androidの父アンディ・ルービン氏ら審査員からの絶賛の評価。主役となったのは、2次元嫁を家に呼べるホログラムガジェットの『Gatebox』だった。
新経済連盟主催による“新経済サミット2016”が4月7日、8日にわたって開催。初日、これからの日本企業を担うスタートアップ企業10社によるプレゼンイベント“NEST STARTUP CHALLENGE PRESENTATION”が行なわれ、自社サービス、アプリを競った。
1位に選ばれたのは北海道のベンチャー企業、農業情報設計社の開発するアプリ『AgriBus-NAVI』だ。農業機械で農地をまっすぐ等間隔に作業するためのGPSアプリで、数十万円と費用が掛かってしまう既存のGPSシステムに比べて、無料から利用できるのが魅力。すでに海外比率での利用も高いことなどが評価された。濱田安之代表によると、今後は自動操縦など展開していきたいとしている。
2位はボーダレスの『CrossHelmet(クロスヘルメット)』、二輪車用のスマートヘルメットで、カメラを搭載していて、かぶっていても360度視界が広がるほか、ノイズキャンセリング機能を備えて騒音をかき消してくれる。大野新代表自身も14歳からバイクに乗り、二輪業界に10年務めた経験から、さまざまな問題点に気づき、安全な交通システムをつくろうと起業。APIを公開し、SDKを提供することで、あらゆるものをヘルメットとつなげていく。そのビジネス展開も評価された。
そして3位がウィンクルの『Gatebox』、コーヒーメーカーほどの大きさの円柱状のガジェットで、ホログラムでキャラクターを表示させ、コミュニケーションが取れるというもの。帰宅時には「ただいま」の声に「おかえり」と返してくれるだけでなく、目覚ましから電気のオンオフなど家電のコントロールなど、日常をともにできる機能を備える。
武地実代表は、3位の発表に対し開口一番「悔しい」と絶叫。「起業する前から誰も家に待っていなかった。そんなときに支えてくれたのがアニメの中のヒーロー、ヒロイン。僕みたいな人たちを応援するサービスをつくりたい」とプロダクトへの思いを語った。
日本の未来を見せたと言っても過言ではないこのプロダクトに、14人の著名な審査員陣も次々と「好きな人といっしょにいられるのは癒し」、「Gateboxは未来だ」と言及した。全プレゼン後に司会者が会場に拍手で投票を促すと、一番音が大きかった。
Androidの父で知られるPlayground Globalのアンディ・ルービンCEOは、ピッチ全体への総評として「期待しているのはチームの背景、技術力、世界へのビジョン、ビジネスチャンスの規模」と語った。Gateboxについては、同様の音声タイプでのアシスタントデバイスである『Amazon Echo』と比較して「自分もロボットをやってきた経験があるので、『Gatebox』のありがたみがわかる。オタクは世界的に大きな市場ではないが、家庭内のインタラクションはガラッと変わる。同じ部屋にいてみんながインタラクションを受けられる『Gatebox』には価値が感じられる」と評価した。
クラウドワークスの吉田浩一郎代表取締役社長兼CEOも、「昔から彼(武地代表)を知っているが、リスキーでクレイジーなプロダクトをやっている。これから貨幣経済から人々の共感へと価値が変われば、彼は大きく化けるかもしれない」と期待を込めた。
NEST STARTUP CHALLENGE PRESENTATION 登壇企業
ビザスク / 株式会社ビザスク
Gatebox / 株式会社ウィンクル
CrossHelmet / 株式会社ボーダレス
OZO / 株式会社16Lab
YAMAP / 株式会社セフリ
Payming / ドレミングアジア株式会社
ALLSTOCKER / SORABITO株式会社
AgriBus-NAVI / 株式会社農業情報設計社
WOVN.io / 株式会社ミニマル・テクノロジーズ
Travel Pay / 株式会社Liquid
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新経済サミット2016