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「ふるさとテレワーク」は地方を救うか!? 第6回

移住は難しくとも、気軽な人の流れを

廃校からテレワークと地方創生へ、高畠町の「熱中小学校」

2016年04月01日 06時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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移住は難しくとも、気軽な人の流れを

 「今回の取り組みで人の流れが起こり、移住者が3名残った。決して多くはないが、この町にとっては大きな一歩。今後もテレワークは地方創生の要として推進していきたい」(八巻氏)

 デジタルデザインもこの地で移住・事業を継続する。そして、高畠町だけに収まらない取り組みを始める方針だ。「今回の取り組みも、企業や地域への説明を強めながら継続していく。分かったことは、データ入力のような仕事を地域に分配する場合も、100%在宅ワーカーで完結するわけではなく、取りまとめるためのセンター機能が必要。それはこうした地方でも問題がないということだ。今回は高畠町に限定した取り組みだったが、今後は県外にも範囲を広げ、全国の在宅ワーカーに首都圏の仕事を分配し、その管理を高畠町で統括するような仕組みにしたい。それでこそ、高畠町への恩返しになると考えている」(細井氏)

 熱中小学校も第2期生を迎え、さらに本格化する。教諭による授業はもちろん、体験型の「ぶどう畑の再生プロジェクト」なども、2015年8月の草刈り、2016年1月の整地を経て、いよいよ苗植えが始まる。その後5年をかけて「みんなの手で復活させたぶどう園を囲み、美味しい物を食べる」という夢を追っていく。

 過疎地に想像もできなかった人の流れが生まれる。高畠町では今、そんな特異な現象が起こっているのだ。さらに他県展開も始まった。熱中小学校に関わる教諭や生徒の熱意で、福島県会津若松市、富山県高岡市、東京都八丈町(八丈島)版の熱中小学校が開校に向けて動き出しているのだ。

 「移住のハードルは高いかもしれないが、熱中小学校を軸に人の流れが生まれた。そういう人たちが自然を楽しめ、仕事もできる。そんな環境を創ってひとの循環を促すことで、肩肘を張らずに気軽に来れる場に。まずは“ゆるい関係”のようなものを作っていきたい」と八巻氏。はじまりの学校 石黒浩司氏も「そういう環境から移住・定住も生まれるはず。地域おこし協力隊とも連携しながら、今後1年で人口2ケタ増へ。数値目標を意識ながら、これからも取り組んでいきたい」としている。

事務局。NPO法人・はじまりの学校

左から、はじまりの学校の石黒悠起氏、事務局長の石黒浩司氏、地域おこし協力隊の山本亮氏

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