PEN-F、X-Pro2、α6300……春の最新ミラーレス一眼徹底レビュー! 第1回
「PEN-F」か「X-Pro2」か!? この春持ち歩きたいクラシカルデジカメ対決
2016年03月28日 10時00分更新
モノクロ撮影でも細かい絵作りができる
オリンパス「PEN-F」
2013年6月発売の「E-P5」から約3年ぶりのフラッグシップモデルとなるのが「PEN-F」だ。従来モデルは「PEN E-P1」から順番に「5」まで番号が増えていたが、今回は名称を一新し、後継機というよりはまったくの新機種と思っていい。
おおまかなデザインイメージは同社の「PEN」シリーズをベースにしているため、似ている部分も多い。ただし、1963年発売の銀塩カメラ「ペン F」の名を冠するだけあって、細かい部分もかなり作りこまれている。
撮像素子はマイクロフォーサーズ規格準拠の4/3型だが画素数は2030万画素へ増加し、オリンパスのマイクロフォーサーズシリーズの中では最大の画素数を持つ。
ボディー内には5軸の手ブレ補正機構が内蔵され、最大でシャッタースピード約5段分の手ブレ補正が可能になった。ボディー側で手ブレを制御できるので古いレンズを取り付けても効果が得られる点はうれしい。
センサーを0.5ピクセル単位で動かして8回露光を行ない、50M相当(JPEGで8160×6120、RAWで10368×7776)の高解像度の写真を記録できる「ハイレゾショット」も搭載しているほか、定点撮影ができる「インターバルタイマー」や特殊撮影機能の「アートフィルター」、動く星の軌跡が撮れる「ライブコンポジット」など、機能は充実している。
また、新たにフィルムでの撮影をイメージする「モノクロ/カラープロファイルコントロール」が搭載され、モノクロ撮影時のカラーフィルター効果やシェーディング効果、フィルムの粒状性、カラーフィルムの色合いや特定の色を選んでの再度調整などが行なえる。
自由度の高いカスタマイズにより自分なりの色合いを楽しめるようになったが、同機能ではあらかじめ3つずつプリセットが用意され、簡単に適用できる。
モノクロのプリセットは、ノーマルのほかにモノクロではフィルムの粒状性を感じられる「クラッシックフィルムモノクロ」と、赤外線フィルム風のコントラストが得られる「クラッシックフィルム IR」となる。
カラーでは、12の色それぞれの彩度調整ができるほか、プリセットにコダクローム64風の「クロームフィルム リッチカラー」とエクタクローム100風の「クロームフィルム ビビッド」がプリセットされている。
トーンカーブを呼び出してのコントラスト調整は以前からもできたが、より細かい色合いの調整が可能になっている。
またこれらのプロファイルコントロールの機能はRAWで撮影しておけば、PC上で専用RAW現像ソフトを利用することで後から処理が可能だ。
コントラストAFの採用で反応がいい!
PEN-FはEVFを内蔵している。約236万画素の有機ELビューファインダーは背面液晶の表示をそのまま見ることができ、ファインダー倍率は約1.23倍と大きめで視認性が高い。
背面液晶はタッチ対応だが、EVF使用時にはタッチパッド機能が有効になり、AFの測距ポイントの位置指定を触って行なえる。EVFを覗いたままの状態で背面液晶上を指でなぞってAFポイントを指定できるのはかなり便利な機能だ。
AF機能は撮像素子を利用したコントラスト検出方式のみだが反応はかなり速い。位相差検出センサー併用の機種と比べると若干劣るが、遠景から近景への反応の速さなど、よほど速く動く被写体でなければ気にならないくらいだ。
レリーズタイムラグは0.044秒と速く、ピント位置固定では秒間10コマ、追従でも5コマの連写が可能だ。

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