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急変貌する“巨人”―「IBM InterConnect 2016」レポート 第3回

IBM InterConnect 2016で語られた、IoT時代にWatsonが必要とされる理由

なぜ「コグニティブIoT」か、IBMがWatson+IoTで目指す世界

2016年02月26日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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なぜIoTにはWatsonの「コグニティブ」な能力が必要になるのか

 IBMでは、Watsonが活躍する領域の1つとして「IoT」を挙げている。昨年にはWatson IoT事業部門を立ち上げたほか、気象情報サービス大手のWeather Companyも買収した。

 さらに今回のInterConnectでは、独シーメンスのビルテクノロジー事業部門との協業を発表している。この協業では、シーメンスのビル資産/エネルギー管理プラットフォームにWatsonの能力を組み合わせることで、ビルの運用評価や故障予測などが可能なクラウド型ソリューションを構築し、不動産運用ビジネスのあり方を変革していく方針だ。

 それではなぜ、IoTの世界において、データを理解/推論/学習するWatsonのコグニティブな能力が必要となるのか。基調講演ではWatson IoT事業部門GMのハリエット・グリーン氏が登壇し、背景を説明した。

IBM Watson IoT事業部門ジェネラル・マネージャーのハリエット・グリーン(Harriet Green)氏

 「IoTの世界は、まさにデータがチャレンジ(課題)だ」と、グリーン氏は語る。IoTのエッジでは、膨大な数のデバイスやセンサーから、膨大な量のデータが生成される。「しかし、そのデータの90%はほとんど何も活用されていない。さらに、3分の2のデータは“1日後”には無用のものになってしまう」(同氏)。

 つまり、IoTデータを収集することは簡単になったが、それだけではビジネス的な価値を生み出すことはできないということだ。人手では到底追いつけない膨大なデータの分析、学習、理解、予測をコンピューターが手助けすることで、初めてそこに価値や意味が生まれる。そこでWatsonの出番だ。

 「こうしたワークロードはWatsonにしか対応ができない。最終的にWatsonは、こうしたデータに基づくより良い意思決定につなげることができる。Watson+IoTで『コグニティブIoT』が実現する」「世界にはデータがあふれている。それを理解することをWatsonが支援する」(グリーン氏)

Watson IoTプラットフォーム。オープンなクラウドのプラットフォームで、データの収集から管理、Watsonによるアナリティクスを提供する(画像は公式サイトより)

 Watson Iotの具体的な事例として、エレベーターやエスカレーターのメーカーであるKONE社のソリューション「People Flow」が紹介された。エレベーターのインテリジェンス化による効率化や省力化、安全性向上を目指すこのソリューションでは、エレベーターのアセット監視部分にWatson IoTを活用しており、IoTを通じて価値の高い新たなサービスが提供できているという。

 「Watson IoTの高度なモニタリング、コグニティブなアナリティクス能力を生かして、予兆に基づくよりスマートな保全を行っている。故障する前にメンテナンスを行えるようにして、エレベーターのアップタイムを長くすることができる」(KONE幹部)

 この事例のほかにも、Watson IoTプラットフォームではすでに、自動車、航空宇宙、産業製品、エレクトロニクス、小売、保険、通信といった幅広い業界での活用が始まっているという。

 「Watson IoTはすばらしいプラットフォームだが、最終的にデータを生かすのはアプリケーションだ。開発者の皆さんには、ぜひ実際にWatson APIを使ってアプリケーションを作り、Watson IoTプラットフォームのパワーを体験してみてほしい」(グリーン氏)

すでに4000社を超える顧客、30を超える産業別ソリューションを展開しているWatson IoTの実績をグリーン氏は強調した

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