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多分アレができるはずだから史上初のアレだと思う

謎多き真空管「Nutube」参考展示品の魅力を夢想してみる

2016年02月20日 12時00分更新

文● 四本淑三

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オルガンやギターに積まれた「Nutube」

 さて、ここからが問題です。新型真空管の「Nutube」を使った新しい試作品群が展示されていました。

 Nutubeについておさらいしておくと、コルグとノリタケ伊勢電子が共同で開発した真空管です。ノリタケ伊勢電子のお家芸たる蛍光表示板の製造技術を応用し、まるでプレパラートで金属片をはさんだような構造になっています。こんな感じ。

 従来の真空管に比べると、小型かつ低電力で動作し、特性のバラつきが少ないのが特徴。これを使えば、小さく軽く、電池で動くような製品も作れるという素敵な素子です。

 このNutubeは、2015年のNAMMショーで初めて開発中であることが発表されました。その際に、試作品が2つ公開されています。まずストンプボックス型のギター用プリアンプ。

 そして、パワーアンプ内蔵のアンプヘッド。

 さらにNAMMショー2016が始まる直前の1月13日~15日に、東京ビッグサイトで行なわれた展示会「NEPCON JAPAN 2016」に、1Uラックマウントタイプの新しいプリアンプの試作品が公開されていました。

 そして今回のNAMMショーでは、公に展示する試作品としては4番目となるギター用アンプヘッドがお目見えしております。加えてNutube内蔵のオルガン、ギターといった試作品も登場。いずれもVOXブランドを冠したもので、大いにそそられるものが。

 が、しかし!

 それらはすべて参考展示品であり、ショーの終了後もメーカーからなんの情報も出ませんでした。コタツ記者的に困るのは、使える画像が一切ないという点です。しかしながら、特に名を秘す信頼すべき筋からなんとか画像を入手できましたので、ここに記事として展開するものです。

 なお、これ以降の試作品に関わる記述は記者の推論、予想、想像を含み、実際の仕様とは異なる点があることに留意しつつ、貴方自身の想像と置き換えながら読み進めていただくと幸いです。

デモの音に期待せずにはいられない真空管アンプ

 まずギター用のアンプヘッドから。VOXのデモンストレーターでおなじみ、ブロンドクルクルヘアのFreddy DeMarcoが、さまざまな取材に応えて弾きまくる動画がYouTubeに上がっておりました。

 デモ時の説明によると、2チャンネル構成の各チャンネルにクラシック/モダンの2モードがあり、バルブトロニクスを使ったパワーアンプは、出力を150Wと5Wに切り替えられるそうです。フロントパネルを拡大してみると「BIAS」というスイッチもあるようですが、Nutubeの動作モードを変えられるのでしょうか。

 音の方はクリーンからクランチサウンドまではVOXっぽい感じですが、それを超えるハイゲインの領域もカバーしていて、実に好ましい感じがいたします。

 気になるのは心なしかヒュースアンドケトナーに魂を売った感じのルックスと大きさです。Nutubeとバルブトロニクスだったら、もっと小さくならないのかなあと思うのですが、このへんはショーモデルなので、目立つ方向でドンと行ったということなのでしょうか。音の方はぜひこの路線でお願いしたいと思います。

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