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多分アレができるはずだから史上初のアレだと思う

謎多き真空管「Nutube」参考展示品の魅力を夢想してみる

2016年02月20日 12時00分更新

文● 四本淑三

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内蔵バッテリーで駆動するかもしれない真空管ギター

 発売がアナウンスされているVOXのギター「Starstream Type 1」のヘッドレス版です。つまり弦巻がネックの終端ではなくブリッジ側にあるタイプのギター。これに関しては、アンプ以上に情報がありません。どの媒体もスタッフにインタビューしていないし、試奏動画も上げていません。特に名を秘す信頼すべき筋の現地画像も解像度不足で、説明書きも読めません。

 しかしながらYouTubeの動画の一部に、説明書きとコントロール系が写り込んでおりました。それによると、このギターはカリフォルニアにあるVOXギター開発部門のG-Rok R&Dで製作されたもののようです。木目入りアメリカンウォルナットのボディーに、ハードメイプルの22Fネックという仕様。Starstream Type 1のカスタム高級版という位置づけなのでしょうか。

 そしてStarstream Type 1に搭載されたモデリング回路「AREOS-D」に替え、「AREOS-Nu」というシステムが積まれているそうです。画像からは「CLEAN」「CRUNCH」「DRIVE」というトグルスイッチの文字が判読できましたので、これはNutubeによるプリアンプ的ななにかで、真空管ならではのディストーションがかかるようななにかなのでしょう。

 おそらく内蔵バッテリーで駆動するなにかでしょうから、真空管を搭載した初のなにかということになるはずです。

 ところでなぜ「Starstream」という名前なのかと思っていたのですが、その昔、VOXには強烈なファズ内蔵の同名のギターがありました。多分それにちなんだものなのでしょう。見た目はさっぱり似ていませんが、歪み系を積んだので昔の名前で出ています。

おそらく出力で歪ませてくれるであろう真空管オルガン

 昔の名前で出ていますパート2。VOXは1960年代にはオルガンも作っており、名をContinentalと言いました。赤い筐体に白黒リバースの鍵盤というスタンダールカラーのカッコいいやつです。その音についてはアニマルズの『朝日のあたる家』、姿に関してはビートルズの『I'm Down』でジョン・レノンが肘鉄食らわせてるアレが最も有名だろうと思います。

 1960年代には各社からポータブルなケース/スタンド一体収納型のオルガンが出ており、小編成のジャズ・ダンスバンドが使うことからコンボオルガンと呼ばれておりました。このセグメントの製品は、イタリアのファルフィッサ、日本でもエーストーンやヤマハの製品がよく知られています。

 1970年代に入って、ジョン・ロードやキース・エマーソンがハモンドを弾きまくったおかげで、ロックの世界では一瞬注目度は落ちるわけですが、そんな重厚長大でロン毛な時代を経た後、コンボオルガンは1970年代後半のニューウェイブ時代にリバイバルを遂げます。ピーピー鳴ってる感じのチープな音は、古き良きサイケな1960年代のサウンドアイコンと認識されたわけですね。

 そのContinental系コンボオルガンの系譜を継ぐ最新作がこれのはずです。ですが……。

 「PLEASE DO NOT TOUCH」という貼り紙があり、周囲をモールで遮っております。ゆえに、これも試奏動画も上がっておりません。この画像から想像できるのは、触ると壊れる、感電などにより人命が損なわれる、まだちゃんとした音が出ない、そのいずれかでしょう。しかし、わざわざ傾斜させてパネル面を見せてくれています。

 左上に「VOLUME」ノブ、その下に「VALVE DRIVE」があります。上のスリットの下にNutubeが入っているはずですから、今までのコルグの各種キーボード同様、Nutubeは最終的な出力を歪ませるために使われているのだろうと想像します。

 その右の「ORGAN」セクションには「PERCUSSION」というスイッチも見られます。去年出たヤマハの「Reface YC」は、ホンモノのYC-10のようなクリック音が出なくて悲しい思いをしたのですが、これは出るといいなあ。

 さて、さらにその右の9本のスライダー的なものは、ドローバー兼ミキサー兼パラメーターのエディタのようです。タッチセンサーではドローバーのようなクリックストップ感が出ないので、V字型の溝にスイッチを並べているのかもしれません。その右を見るとピアノ系統の音も出るようで、ライブキーボードとして企画されているようです。

 ただ、ケースとスタンドが一体化して収納できるのがコンボオルガンのいいところ。この展示用スタンドは折りたためる構造? 本体もケースになるのこれ? といった点が気になっているのですが、そこは市販仕様の発表を待ちたいところです。

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