2016年はハイパーコンバージドインフラ、スマートデバイス活用ソリューションに注力
「日本を再びIT活用先進国に」レノボがエンタープライズ戦略語る
2016年02月18日 06時00分更新
レノボ・ジャパンは2月16日、「System x Server」などを擁する同社エンタープライズ事業についての2016年戦略説明会を開催した。「ハイパーコンバージドインフラ」「スマートデバイス」「国内パートナー」という3つの軸を強化していく方針。
2015年のレノボは、PC市場ではグローバル、国内(NEC レノボ・ジャパン グループとして)ともトップの市場シェアを記録している。一方で、エンタープライズ事業の四半期業績も、IBMからの事業継承後は着実に黒字と増収を維持しており、「年間50億ドル」というグローバルの売上目標を掲げて「攻めの戦略へ」進む、とレノボ・ジャパン 代表取締役社長の留目(とどめ)真伸氏は語る。
留目氏は、スマートデバイスからPC、サーバーまで、コンシューマー/エンタープライズの両面で製品ラインアップを持つレノボの特徴を生かし、スマートデバイスやクラウドの業務活用提案を通じて、「日本企業がかつてそうであったように『IT活用力世界トップクラス』の座を取り戻し、生産性や創造性、競争力を高めることがレノボ・ジャパンの使命」だと語った。
2016年の同社エンタープライズ戦略については、執行役員専務 コマーシャル事業統括GMの安田稔氏が説明を行った。「サーバー/ストレージ」「スマートデバイス」「パートナー戦略」の3本柱を、それぞれ強化していくという。
サーバー/ストレージについては、IBMから継承したSystem xサーバーの製品ラインアップやサポート体制を堅持する一方で、顧客企業側の新たなニーズに対応し、特にハイパーコンバージドインフラに注力していくと述べた。レノボでは先月、Nutanix(ニュータニックス)搭載のハイパーコンバージドインフラ「Lenovo Converged System HX Series」の国内販売を開始している。
ハイパーコンバージドインフラに注力する背景として安田氏は、オンプレミスシステムを抱える企業では運用管理コストが増大しており、それが新しいビジネス領域への戦略投資の妨げになっている現状を説明。ハイパーコンバージドインフラの採用によって、TCOが大幅に削減でき、顧客は新しいIT投資が可能になると説明した。
もう1つ、さらなる成長が期待されるハイパースケールデータセンター向けの施策として、「高密度」「省電力」「カスタマイズ」「分散」など、固有のワークロードに最適化したハードウェア製品の開発にも注力していく。「ワールドワイドで専門組織を立ち上げており、同市場への投資を続ける」と安田氏は述べた。
スマートデバイスでは、今年に入ってからビジネス利用を強く意識したPC/スマートデバイス(ThinkPad X1、YOGA)を投入しており、安田氏は「コンシューマー向けだけでなく、法人向けビジネスも加速させたい」と語る。加えて、こうしたデバイスを組み込んだ国内企業向けのソリューションを、パートナーとともに開発/展開していく計画だとした。
パートナー戦略については、グローバル/ローカル(国内)の両面でISVやIHVとのアライアンスを強化するとともに、新規開拓で「販売店を倍増する」計画を推進していく。パートナー支援のトレーニングも強化する。
「正直なところ、IBM時代には〔競合するなどの理由で〕関係の深まらなかったパートナーもあった。その点、レノボは“ニュートラル”な立場であり、パートナー社数も増加している。これをさらに加速させていきたい」(安田氏)
なお、同社エンタープライズビジネスグループのゼネラルマネージャーとして、2月1日付で上原宏氏が入社したことも紹介された。上原氏は、「今日はエンタープライズビジネスの『戦略』を発表したが、今後は矢継ぎ早に〔具体的な〕『戦術』も発表していきたい」と抱負を述べた。