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レノボが、エンタープライズ・ソリューションズ・センターを公開

2014年11月26日 16時21分更新

文● 編集部

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エントランス近くに構えられたデモンストレーションスペース

 日本アイ・ビー・エムのサーバー事業が独立する形で発足したレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(関連記事)。その検証およびデモンストレーション用のスペースが、秋葉原UDX内にオープン。プレス関係者に11月25日公開された。

 NECレノボ・ジャパングループは11月17日から同ビル内に本社を移転したばかり。内部には、ショールーム、セミナールーム、ミーティングルーム、サーバルーム、パートナーテストルームなどを設ける。ショールームは、エントランスを入ってすぐの場所にあり、ガラス製のパーティションで区切られた室内に、主要製品を収容したラックが並んでおり壮観だ。

42Uのラックに新製品が並んでいる

天井。下から吸気して上に流す仕組み。

 一般向けには公開しない施設だが、国内のソフトウェアベンダー、システムインテグレーター、クラウドサービスプロバイダーと連携し、各種検証環境やデモンストレーション環境が用意されている。同社製品を導入したいと考えているユーザーであれば、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズのパートナー経由で同スペースに来社し、エンドユーザー視点での提供を意識した各種サービスと組み合わせた動作検証などが可能となる。

検証スペース。まだ空きのラックが目立つ。

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ・センター センター長で、ソリューション・テクニカル・セールス担当の緒方正暢本部長

 レノボ・エンタープライズ・ソリューションが現在注力して分野のひとつがハイパフォーマンスなVDI環境。特にCAD on VDIなどと呼ばれる、CPUだけでなくGPUの仮想化技術も応用したソリューションとなる。従来CADデータの作成や閲覧には、ワークステーションなどを利用するケースが中心であったが、タブレット端末などさまざまなクライアント機器を使い、サーバー側で動作する環境をリモート操作することにより、作業場所の制限をなくし、大きな価値を生むCADデータを各人がローカルで管理するリスクを低減することができる。

 ユーザーのデスクトップ環境はサーバー側で集約。さまざまな端末からLTE回線やWi-Fiなどを通じて、操作と結果(画面データ)の送信に特化することで、セキュリティーの確保と、新しいワークスタイルが実現できる点をアピールしている。

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ ビジネス開発 エンタープライズ・ソリューションズ担当の瀧谷貴行部長は、ハイブリッドクラウドのソリューションについて説明した。

 またクラウド関連のソリューションでは、ハイブリッドクラウドを重視。Microsoft Azure、IBM SoftLayer、VMware vCloudなどのパブリッククラウドと、オンプレミス(社内やデータセンターに置いたサーバー)にあるプライベートクラウド環境を柔軟に連携させ、これらを集約して管理できるコンソールなども用意することで、管理コストの低減やDR(災害復旧)などに役立てられる。

 センター内では、System Xを採用している国内の主要10社のサービスプロバイダー(IIJ、IDC Frontier、INTEC、NTT.com、SAKURA Internet、GMO、ソフトバンク、ビットアイル、フリービット、LINK)のサービスを組み合わせた環境構築・接続試験なども実施できるようになるという。

 IBMはハードからソリューションまで幅広い分野を手がける企業であったが、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズはハードに特化した企業となった。レノボグループとしてみればクライアント端末を含めた豊富な製品ラインアップを活用できるとともに、ソフトやサービスプロバイダーとの分業もより明確となり、アライアンスも組みやすくなっているという。

HORIZON上で、VDIのCADを動作させ、複数人で囲みながら議論するといった提案も。

 記者会見では自立する大画面のWindowsタブレットHORIZONを使い、VDI環境は知らせたCADアプリケーション(SolidWorks)を操作するデモなども示されたが、図面データの出力などせずに客先などでプレゼンテーションを実施したり、複数の開発者が図面を囲みながら、議論を深めるといった新しい作業スタイルに有益であると感じた。また、LTE版のThinkPad 10を活用したデモでは、LTE経由でも40msと非常に短い遅延時間となっており、モバイル環境での作業も現実的になりそうだ。

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