仮想マシンによる迅速な復旧機能、コマンドラインからの操作機能も追加
Linuxバックアップもさらに強化「arcserve UDP v6」発表
2016年02月04日 06時00分更新
arcserve Japanは2月3日、統合バックアップソフトウェアの新版「Arcserve Unified Data Protection v6(UDP)」と「Arcserve Backup r17」を3月3日から出荷すると発表した。新バージョンのUDPでは、Linux物理マシンのバックアップに対応したほか、業務継続のための迅速なシステム復旧機能なども追加されている。
arcserve UDPは、物理/仮想、Windows/Linux、サーバー/PCなどが混在する環境に対応したバックアップ/リカバリソフトウェア。多数のマシンを単一のコンソールから容易に統合管理でき、継続増分バックアップや重複排除によるバックアップデータの容量削減、災害対策のための遠隔転送機能、仮想スタンバイ機能(仮想マシンによるホットスタンバイ)などを備えている。
最新版のバージョン6ではまず、Linuxサーバーのバックアップ機能が強化され、これまでのWindows Serverと同等のバックアップ/管理ができるようになった。具体的には、復旧ポイントサーバー(RPS)でWindowsマシンや仮想マシンと同様にLinux物理マシンもバックアップできるようになったほか、リモートからの復旧作業実行(ベアメタルリカバリ機能)、エージェントレスでのファイル単位リストアも可能になっている。
また、迅速な業務復旧を実現する新機能「インスタントVM」も追加された。これはバックアップ対象としているサーバーが故障などで停止した場合に、仮想化環境(VMware ESX、Hyper-V)で仮想マシンを立ち上げ、バックアップデータを直接使って(NFSマウントして)起動できる機能だ。事前準備なし、数ステップの操作だけで、数分後にはサーバーを復旧できる。
そのほかインスタントVM機能は、従来の仮想スタンバイ機能が対応していなかったLinuxサーバーの復旧にも対応するほか、追加のディスク容量を消費しないというメリットもある。ただし、ネットワークマウントしたドライブを使う構成になるため、あくまで一時的な業務継続向きの機能だとarcserveは説明した。
さらに、Windows PowerShellのコマンドラインからバックアップ/リストアジョブの実行が可能になった。これにより、汎用的なジョブ管理ツールとの連携によるバックアップ運用フローの自動化が可能になっている。
そのほかUDP v6では、NetApp NASのスナップショット機能と連携したコピーボリュームのバックアップ機能、復旧ポイントサーバーに必要なハードウェアスペックの推定ツール、柔軟な管理権限割り当て機能などが追加されている。また、
一方、Arcserve Backup r17では、Windows 10や「Exchange Server 2016」「VMware vSphere 6.0 Update1」のサポート、「Exchange Server」アイテムの詳細レベルでのリストア、バックアップ元/先となる4Kブロックのネイティブサポート、LTO-7テープドライブサポートなどの強化点がある。
発表会に出席したarcserve Japan 社長の江黒研太郎氏は、今回のUDP v6においては特に、バックアップ対象容量が数十TBクラスの中規模環境向け機能の強化に力を入れたと語った。
なお、先月発表したUDP搭載アプライアンス「Arcserve UDP 7300」(関連記事)について江黒氏は、発表後すぐに大きな反響があり、3月末までには9社、来年を含めると37社の導入予定(および検討)が決まっていることを報告している。