旧世代Atomよりもパフォーマンスと省電力性能が向上
続いてHP Pavilion x2 10-n100のベンチマーク結果を紹介しよう。Windows 10の快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」については、以下の表のとおりとなった。「グラフィックス」のスコアが低いものの、Windows 10の快適さにあまり影響しないので気にする必要はナシ。「プロセッサ」と「メモリ」のスコアはそれほど高くはないが、ライトな利用には十分な性能だ。
試用機のWindowsシステム評価ツールの結果 (Windows エクスペリエンス インデックス) |
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プロセッサ | 5.8 |
メモリ | 5.5 |
グラフィックス | 4.2 |
ゲーム用グラフィックス | - |
プライマリハードディスク | 6.85 |
レビューにあたって実際にWindows 10を使ってみたところ、アプリや設定画面が表示されるまでに一瞬の「間」を感じたものの、特にストレスなく使うことができた。メールやウェブ、オフィススイートが主な使用用途なら十分快適に使える範囲だろう。すでにメインマシンを持っている方や、手軽に持ち運んで使えるノートがほしいという方には、サイズ・重量(キーボード込みで約1.15kg)とこの性能、さらに5万9800円(税別)という直販価格を考えれば非常に魅力的なはず。
ただ、重めのソフトが何か処理を行なっていると、反応が鈍くなってしまうことがある。特にウイルス対策ソフトのスキャンが実行されると、明らかに重くなった。ストレスなく使うためにも、利用しない時間帯にウイルススキャンを実施させるなど、スケジュールの調整を行なっておきたいところ。
CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH」
CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH」では、低めの結果となった。CPUに使われているAtom x5-Z8300はパワーよりも省電力性能を重視したプロセッサーであることを考えれば妥当な結果だと言える。最近まで低価格タブレットでよく使われていたBay Trail世代のAtom Z3735Fよりもパフォーマンスが向上している上に、グラフィックス性能も上がっている。
ストレージ性能を計測する「CrystalDiskMark」
ストレージ性能を計測する「CrystalDiskMark」では、シーケンシャルリード(Seq Q32T1)が146.6MB/秒という結果となった。一般的なHDD(100MB/秒前後)よりも高速ではあるものの、シーケンシャルライトが82.16MB/秒とやや遅めになっている。リードとライトのアクセス速度にこのような差が出るのはeMMCの特徴だ。
PCの総合的な性能を計測する「PCMark」
いつもなら、ここでPCの総合的な性能を計測する「PCMark 8」のベンチマーク結果を紹介するのだが、試用機ではサウンド関連のドライバーがうまく動作しなかったため、ベンチマークを試せなかった。そこで旧バージョンではあるが「PCMark 7」の結果を掲載している。
3D性能を計測する「3DMark」
3D性能を計測する「3DMark」については、もっとも負荷の高い「Fire Strike」で「194」という結果となった。3D性能はかなり低いのだが、そもそもHP Pavilion x2 10-n100はゲームを楽しむためのPCではないので、この結果は妥当だろう。それよりも筆者としては、ベンチマークソフトを完走した点を評価したい。旧世代のAtom搭載機では、Fire Strikeが正常に動作しないケースが多かったからだ。
バッテリー駆動時間テストでは、約11時間50分の動作
HP Pavilion x2 10-n100のバッテリー駆動時間は、カタログ上の公称値で約9時間30分(動画再生時)とされている。実際の駆動時間を検証するために以下の条件でテストを行なったところ、テスト開始から約11時間50分でバッテリー残量が約5%となり、休止状態へ移行した。カタログ値は動画連続再生時の結果で今回のテストとは異なる結果が出るのは当然なのだが、それでもカタログ値よりも2時間以上長い結果となったのは驚きだ。
バッテリー駆動時間テストの条件
- 電源プランを「省電力」に設定
- 無線LANとBluetoothをオンに設定
- ボリュームは50%に設定
- 液晶ディスプレーの明るさを40%に設定
- 液晶ディスプレーの輝度調整機能を無効化
- テストには「BBench」を使い、10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化