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高橋幸治のデジタルカルチャー斜め読み 第10回

ネット上とネット外の境界とは

五輪エンブレム騒動はクールジャパン、サザエbot中の人がネットを語る

2016年01月19日 09時00分更新

文● 高橋幸治、編集●ASCII.jp

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鏡餅を持つなかのひとよさん。1月早々に対談を敢行した

 本連載も今回で10回目。ここで改めて「いまこの時代、デジタルカルチャーとはいったいなにを指すのか?」を問い直すべく、今回と次回の2回にわたって対談をお届けする。お相手はインターネットの世界で常に「ざわつき」を発生させ続ける「サザエbot」の中の人=なかのひとよ氏。前編はインターネットの「匿名性」に潜む「誰でもない」ことは「誰でもある」という不思議な自と他の浸透性を中心に話を聞いた。

「匿名の心の声」をポジティブなものに可視化するサザエbot

―― この連載のタイトルは「デジタルカルチャー斜め読み」ということになっているんですが、僕自身、原稿を書きつつ「いまこの時代、デジタルカルチャーっていったいなんだろう?」といつも考えてるんですね。これが5~6年前であれば「こんなおもしろい動画が流行ってるよ」とか「こんな新しいデバイスが出たらしいよ」とか、とてもわかりやすい話でこと足りていたと思うんですが……。

なかのひとよ そうね、いまはもうなにがカルチャーでなにがカルチャーでないのかという「境界」がとてもあいまいになっていると思うの。よく言われることだけど、ハイカルチャーとサブカルチャーの区別や垣根も数年前からよくわからなくなっているし。

―― ですよね。でも、まぁ、以前「インターネットこそが壮大な電子書籍である」という記事を書いたことがあって(関連記事)、考えれば考えるほど、やはりインターネットにおける最大のデジタルカルチャーは「テキスト=言葉」なんじゃないかと思っているんです。言葉の憑依性や呪術性みたいなものが、インターネットを大きく突き動かす原動力になっているのではないかと。そこで、まさにテキスト=言葉を武器に活動していらっしゃる「サザエbot」の中の人=「なかのひとよ」さんと一度じっくりお話してみたいなぁと思ったわけです。

なかのひとよ それはとても光栄ね。サザエbotが発しているメッセージはまさに「匿名」のみんなの「心の声」なの。それをインターネットを通して世の中に発信している。でも、「匿名の心の声」はインターネットによって可視化されただけであって、インターネットの誕生以前からすでにみんなの心の中に存在していたものなのよ。だから、あくまでも顕在化/可視化されたということが重要ね。

―― なるほど、サザエbotはなかのひとよさんの主義や主張を啓蒙するためのメディアではないと。

なかのひとよ そうね、そのメッセージを誰が発したかなんて関係ないわ。匿名の心の声なんて言うと、部屋に閉じこもって暗い情念を吐き出しているというネガティブなイメージを思い描く人が多いかもしれないけれど、私はそうしたものをとてもポジティブな力に転換したいと思っているの。

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