便利な使い方編
路線検索アプリより時刻表がいい理由
できるビジネスマンを目指す編集部ニシマキ。先輩から路線検索アプリとは違った時刻表の魅力を吹きこまれた。「時刻表には興味あるけど、路線検索アプリより、時刻表のほうが便利ってホントかな」、半信半疑の編集部ニシマキであった。
ニシマキ 「そうだ、前回の記事に出ていた時刻表ヲタな鉄道ライターさんに聞いてみよう」
杉山 「ここにいますよ」
ニシマキ 「うわっ、杉山さん、なぜここ!」
杉山 「美味しそうな時刻表の匂いがしました」
ニシマキ 「匂うんですかこれ」
杉山 「まあ、比喩ですね」
ニシマキ 「時刻表はともかく、ライターとして大丈夫かこの人……」
杉山 「ではさっそく、iPhone版デジタル JR時刻表 Liteをイジリ倒しましょう!」
たとえば得意先回りで、ぽっかり時間が空く、なんてことがある。路線検索アプリを使うと、最短距離、最短時間のルートが出るわけだけど、次の訪問先に早く着き過ぎちゃって喫茶店などでサボっていたら、約束の相手に見つかっちゃった。これは気まずい。そうかといって、出発を遅らせるために前の訪問先付近にいると、さっき打ち合わせした人が出てきて「キミ、まだいたの?」。これも気まずい。訪問の目的が「お詫び系」だったりするとなおさら気まずい。
この場合、出発駅付近、到着駅付近ではない、第3の駅に退避したい――そこで時刻表だ。時刻表なら、路線の前後の列車の時刻がわかる。出発駅から到着駅までの途中にどんな駅があるか一覧できる。その中にはお気に入りの店や、気になるスポットがあるかもしれない。途中の駅で降りて、次に乗る電車の時間を調べたら、誰にも気兼ねしない自由な時間を得られる。
時刻表マスターの「時刻表のススメ」
- 路線の前後の列車の時刻がわかる
- 出発駅から到着駅までの途中に、どんな駅があるか一覧できる
- 途中下車して、誰にも気兼ねしない自由な時間を過ごせる
ニシマキ 「なるほど……ちなみに杉山さんなら、そんなときはどうしますか」
杉山 「私なら、都内の場合は東京駅に行きますね。JRの乗り換え通路に大きな駅弁屋さんがあるんですよ。そこでランチや夕食用に駅弁を買います。あ、そういえば、訪問先の担当者が山形県出身だったので、チョー有名な駅弁「牛肉どまんなか」をお土産に持っていって喜ばれたりしました」
ニシマキ 「なるほど……」
杉山 「あの駅弁屋さん、全国の有名駅弁が集まっているので、相手の出身地の駅弁を入手しやすいんですよねぇ」
最近の検索アプリはとても賢くなってきたけれど、時刻表を使いこなすことから見れば、正しい結果を出していない場合もある。たとえば、各駅停車、準急、急行、特急など通過種別が多く、しかも途中の駅から地下鉄直通列車が合流するような路線だ。路線検索アプリは「3本あとの特急に乗れば、手前の2本の各駅停車を追い越して先に付く」なんて賢く教えてくれる。しかし、時刻表を見ると「すぐに来る各駅停車に乗って途中の駅で降り、地下鉄から合流する準急に乗ると、さらに前の各駅停車を追い越して先に着く」というワザを発見できる。
時刻表マスターの「時刻表のススメ」
- 各駅停車、特急など数種類があり、さらに合流するなど複雑な路線も正しい結果を知ることができる
ニシマキ 「そんなことあるんですか」
杉山 「あるんですよ。ある大手私鉄の路線で。これを発見したときは、うれしかったです。ま、私ぐらいのレベルになると、路線検索サイトも疑ってかかりますしね。乗り換えはAIとの勝負ですよ」
ニシマキ 「なにと戦ってるんだコノヒト……」
(次ページ「楽しい使い方編」へ続く)