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高橋幸治のデジタルカルチャー斜め読み第4回

点いている状態が重要

テレビ離れで見えたテレビ最大の魅力は「観る」ではない

2015年12月08日 12時00分更新

文● 高橋幸治、編集●ASCII.jp

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photo by Christopher

最盛期を過ぎると浮き彫りになるメディアの本当の姿

 ここ1~2年ほど、「マスメディアは喧伝されるほど影響力を失ってはいないし(今後もビジネスとして成立するかどうかは別問題)、ソーシャルメディアは期待されるほど影響力を持ってはいない」と、ことあるごとに言っているのだが、NHKが今年7月に公表した「日本人とテレビ 2015」という調査結果を見ると、「テレビ離れ」が着実に進行していることがよくわかる。

 見出しを散見するだけでも「視聴時間は、1985年以降初めて“短時間化”へ」「幅広い年層で“ほとんど、まったく見ない”人が増加」など、暗澹たるタイトルが目白押しだ。

NHKが1985年から5年ごとに実施している調査「日本人とテレビ」の最新版が2015年7月に公表された。2010年に行なわれた前回の調査と比較すると、「視聴時間」「接触頻度」「関心」「肯定的評価」など、あらゆる側面で下落の傾向が顕著になっている。時間的にも意識面でも“テレビ離れ”は加速している(詳細は画像をクリックすると参照できます)

 筆者も大学でよく学生と話しをするのだが、やはり「一人暮らしをきっかけにテレビを見るのをやめた」(つまり購入しなかった)という子が少なくない。そして「なければないでまったく問題ない」と異口同音に口を揃える。

 他方で、「最近またテレビを観るようになった」という友人知人も増えており、テレビの復権などと呑気なことは言わないまでも、なにやら過度の期待をされなくなったメディアに特有の「見直し機運」のようなものが漂い始めている気がする。当たり前のように存在していたときには見えなかったのものの顕在化である。

 2013年末にMITメディアラボ所長の伊藤 穰一さんやゲームクリエイターの水口 哲也さんたちと、メディア美学者である武邑 光裕先生を塾長とするメディアの未来を考えるセミナー「武邑塾」を立ち上げた。直近の2015年10月に開催した際のテーマはまさに「テレビの未来~Television Is the New Television」というものであった。

 いわゆるマスメディアに直接的にフォーカスするという、これまでの未来志向のスタンスからすると異例の内容だったにもかかわらず、普段よりも3~4割多い、約200名の方が参加してくれた。

10月10日に代官山のデジタルガレージで開催された第11回「武邑塾」。「テレビの未来~Television Is the New Television」をテーマに、武邑 光裕塾長の講義のあと、テレビ業界を中心に多くのゲストを招いて討論が行なわれた。普段よりも多い約200名という参加者の数がテレビへの関心の大きさを物語っている

 本連載の第1回で電話のことを取り上げた際、「メディアは最盛期を過ぎたときに改めてその魅力や本質が浮き彫りになる」と述べたが、先般の「武邑塾」での大盛況ぶりを見るにつけ、いままさに、オールドメディアの代表格たるテレビが再考される時期に差し掛かっているのではないかと思う。

 実際、筆者もこのところTwitterのタイムラインやFacebookのニュースフィードを眺める時間が減って、テレビを観ている時間が増えている。

 今回はそうした自分自身の気分の変化も踏まえつつ「テレビというメディアの最大の特徴とは何なのか?」について考えてみたい。

(次ページでは「テレビ最大の特性とは」)

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