減価償却は一式が基本!
PC本体+ディスプレー、机+椅子などは合計金額を確認すべし
ジサトラ ハッチ 「金額の大きな買物っていうと職業柄PCかなぁ」
いくちょん 「事務所に置く家具なども必須だし高額ですよね」
ジサトラ ハッチ 「ミーティングスペース用の家具を揃えると総額40万円くらいになる計算なんだけど、テーブルはテーブル、椅子は椅子という風に30万円未満の領収書に分けてもらえば全額を1回で申告できるのかな」
宮原 「領収書を分けてもダメです。テーブルと椅子がセットであれば、それを一式として考えなければなりません。この場合のセットというのはブランドのことではなく、組み合わせという意味です。どちらかが欠けると成り立たないものはダメだということです」
ジサトラ ハッチ 「PCの場合は、パーツによっては後から付け加えたり、とっかえひっかえ変更することもあるけど、どこまでが一式なんでしょ?」
宮原 「PC本体とディスプレーを一式として見る形が基本ですね。グラフィックボードやメモリーなどのパーツは、単体では機能しないものなので一式に含めて考えます。
一式の組み合わせの総額が、青色・白色共通で10万円未満、青色申告なら30万円未満であれば1回、それより高額であれば減価償却することになります。
ジサトラ ハッチ 「基本的な組み合わせを買ってから、期間を空けて新しいパーツを追加したらどうでしょう」
宮原 「基本的には追加も含めて計算されると思ったほうがいいでしょう。では、どのくらいの期間が空けば別のモノとされるかというと、じつは絶対的な○×はないので、常識的な範囲という考え方を忘れないようにすべきでしょうね」
「PCライターにとってPCは資産ではなく消耗品だ!」と主張したら?
ジサトラ ハッチ 「PCライターをしていると、次々にスペックの良いマシンに買い換えていかないといけなかったりします。そうなると、PCも資産というよりも、消耗品のようなイメージなんですけど……」
宮原 「なかにはそういう方もいらっしゃるでしょうね。もちろん、減価償却するものでも途中でモノ自体がなくなれば、そのときに経費にしていなかった残りの分は経費に入ります。実際に次々に買い換えていれば、その主張も通ると思われます。しかし、そのときに1つ注意することがあります。
元々事業で使っていた資産であるPCを下取りに出したり、中古品として売却したら、そこで得た収入は売上として計上する必要があるという点です。このときは、経費にしてなかった残りの金額を、その売却の仕入値として計算することになります」
ジサトラ ハッチ 「事業用の資産を売ったから収入扱いになると! 勉強になります」
(次ページでは、「会計ソフトを使えば「減価償却は面倒」から卒業できる!?」)
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