東芝は10月14日、液晶テレビ「レグザ」の最上位シリーズにあたる「Z」シリーズの新モデル「Z20X」を発表した。11月上旬発売予定。
画面サイズは65V型(予想実売価格 69万円前後)、58V型(同48万円前後)、50V型(同40万円前後)の3モデルで、いずれも4Kテレビとなる。外付けHDDを接続することで全チャンネル録画が可能になる「タイムシフトマシン」搭載機だ。
レグザ史上最高の輝きとコントラストを実現したという今回の新機種。バックライトシステムを新開発し、ピーク時で1000nitを超える輝度を実現。また、直下型LEDでエリア分割駆動を行なうが、その分割数は(非公表ながら)近年のレグザではトップとのこと。
また、従来は点灯時間のみによる輝度制御を行なっていたが、新機種は新開発のLEDドライバーにより駆動電流の制御も行なえるようになり、より細かい制御が可能。締まりのある黒の再現が可能になった。
液晶パネルについても新開発のもので、色域は次世代放送規格の「BT.2020」の約80%をカバーできるという。
パネル表面は、バックライトの拡散光と外光の反射を抑える「ハイコントラストブラックパネル」を採用。映像のクリアさとコントラストが向上する。
画像処理エンジンは新開発の「4Kレグザエンジン HDR PRO」を採用。名前の通りHDR信号の処理に対応しているほか、通常の映像信号もダイナミックレンジを復元(輝度ヒストグラムから圧縮特性を推定)することにより、HDR映像のような鮮やかな映像表示が可能だ。
また、64色という高精度な色空間処理により、低彩度の入力画像も色再現を向上させて表示する。
超解像技術は2段階の処理をかけることで微細なテクスチャ(質感)を復元するほか、テロップなどの文字についても、さまざまな角度のエッジの補正に対応することで、なめらかさがアップしている。
さらに、動きのある映像に対してノイズ低減を図る「動き追従ノイズパターン抽出型3次元ノイズリダクション」機能を新たに搭載。このノイズリダクション機能と超解像処理のバランスをノイズ量に応じて整えることで、チラつきを抑える。
エッジ周辺などに発生するモスキートノイズを抑える「絵柄構造適合型MPEG-NR」機能も搭載。処理の対象となる画素の周囲を検証し、絵柄の相関を考慮して処理をかける。
輝度に応じて質感を高める質感リアライザーは、従来の3倍にあたる5082種類の輝度変換テーブルを用意。描写性能がさらに向上している。
このほか、アニメなどに見られるコマの変則的なリピートパターン(2-3や2-2ではなく、2-3-3-2とか2-2-2-4など)に対応。オリジナルのコマの間に新しいコマを補完する。
機能面では、リモコンの「ボイス」ボタンを押すことで音声入力による検索に対応。スピーカーは防火服などに使われているノーメックスという素材を採用したドームツィーターを搭載し、高域の再現性を大幅に向上。また、新開発のフルレンジスピーカーを搭載し、マルチアンプ駆動とすることで総合出力46Wという迫力のある音を再生できる。
さらに、レグザ用のサウンドシステム「RSS-AZ55」(予想実売価格 3万5000円前後)をZ20Xと同時期に発売予定。レグザのメニューから操作する形となる。