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せきゅラボ研究結果 第9回

McAfeeブランドのセキュリティー製品が2016年版に、LiveSafeなど5製品を投入

パスワードのいらない社会を目指す、認証を変える「True Key」を搭載した製品がついに登場

2015年09月29日 18時42分更新

文● ジサトライッペイ、ASCII.jp編集部

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2016年度版製品では、スマートウォッチにも対応!

 インテルセキュリティは9月29日、2016年版の個人向けセキュリティー製品を発表。都内で記者説明会を開催した。インテルセキュリティは、インテルのセキュリティー事業のブランドで、2011年に買収したマカフィーの製品群が同ブランドに含まれる。発売は10月16日。インストールできるデバイスの種類・数に制限がない、マカフィー リブセーフを始めとした、5製品を提供する。

 注目のポイントは、2015年1月のCESで発表した「True Key」の技術を実際の製品に盛り込んできた点。パスワード入力をなくすことをコンセプトにしており、生体認証や顔認証などに加え、普段持ち歩いているスマートフォンが近くにあるかなど複数の条件を判断材料として、本人かどうかを判別する。

スマートフォンやウェアラブルデバイスの保護にも注力

 メイン製品となる『マカフィー リブセーフ』は使用期限ごとに複数の種類があり、1ユーザー/3年版が1万5408円、1ユーザー/1年版が8208円。ともに店頭パッケージ版とオンラインストアでの購入が可能。また初めてリブセーフを体験するという人向けに、店頭では1ユーザー/3ヵ月版のPOSAカードを1008円、オンラインストアでは1ユーザー/1ヵ月版を689円で提供する。こちらの2種については、基本的に初回導入のみを想定しており、3ヵ月版のPOSAカードを複数枚購入して使い続けるといったことはできない。

複数機器のインストールし忘れを防いだり、スマートウォッチの紛失防止機能も

 Windowsのほか、Mac、Android、iOS機などクロスデバイスで使え、インストールできる台数も無制限となる。また複数台のデバイスを管理するための方法も改善している。リブセーフをインストールしたPCやスマートフォンが1台あれば、そのPCやスマートフォンからLAN内をスキャンし、リブセーフを導入していないデバイスを検出できる。そのうえで、必要なデバイスに対してリブセーフをダウンロードするためのURLを送信し、追加インストールできるようにする仕組みだ。複数台へのインストールの手間の低減に加え、インストールし忘れを防げるという点がメリットとなる。

 コンソールは、PC版だけではなく、スマホ版も開発。スマホ向けのコンソールでは新機能のバッテリー オプティマイザーが目新しい。電力管理を最適化して、バッテリーを延長する機能となる。また、新たにスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスと接続し、対象デバイスと一定の距離をおくとアラートを出すなど紛失防止に役立つ機能も備えた。

マカフィー リブセーフのパッケージ。提供方法はダウンロードとなる。なお、店頭では3ヵ月版のみパッケージではなく、POSAカードでの販売となる。

  『マカフィー アンチウイルス』は、アンチウイルスを中心としたミニマムな機能が欲しいというユーザーに向けた製品で、店頭版はWindowsのみに対応。また、ペアレンタルコントロールやスパム対策、True keyなどの機能を省き、ウイルス対策とファイアーウォールのみを提供する。価格は1台/1年版の店頭パッケージが2916円。

 なお、オンラインストアではインストール台数の制限なし、クロスデバイス対応の『マカフィー アンチウイルス プラス』(1ユーザー/1年版)という製品を4212円で提供する。

マカフィー アンチウイルスのパッケージ。提供方法はこちらもダウンロードとなる。

 マカフィー リブセーフからクラウド上の安全なストレージ機能を外した『マカフィー インターネット セキュリティ』は、1ユーザー/3年版が税込1万2137円、1ユーザー/1年版が税込7180円となる。また、ファイルの暗号化機能を足した『マカフィー トータル プロテクション』は、1ユーザー/3年版が税込1万4558円、1ユーザー/1年版が税込7862円となる。いずれも販売はオンラインストアのみ。

 なお、True Keyの対応はマカフィー インターネット セキュリティが1ライセンス、マカフィー トータル プロテクションとマカフィー リブセーフが5ライセンスまでとなる。

Android用のリブセーフのコンソール画面。

Windows PC用のコンソール画面。下の“+”ボタンからネットワーク上にある新たに保護したいデバイスを追加できる。

Android用のリブセーフによるウェアラブルデバイスとのペリング画面。

Android Wearでリブセーフから通知が来た画面。なお、Androi Wearからスマホをロックすることも可能。

Windows PCでTrue Keyを使ったデモ。PCコンソールからTrue Keyによる顔認証後、紐づているセカンドデバイス(スマホ)をスワイプして本人確認後、各種ウェブサイトなどに自動でアカウントとパスワードが入力され、ログインする。

 このように、2016年版のマカフィーセキュリティー製品はTrue Keyによる生体認証を含めたより簡易なログイン機能やウェアラブルデバイスとの連携が主軸だ。マカフィーによれば、2020年までに7億台のウェアラブルデバイスが出荷される見込みで、今後ウェアラブルデバイスとそれを管理するスマホなどのモバイルデバイスへの脅威は高まっていくという。いまだに“123456”や“password”など、強度が不足しているパスワードが使われている昨今、最新OSである、Windows 10でもWindows Helloという生体認証技術が注目されているが、パスワードに代わるより簡易で高度なセキュリティーが必要とされている。

 ちなみにTrue KeyはWindows 10から導入された顔認証機能「Windows Hello」とは一緒に使えないとのこと。ただし、Windows 7や8/8.1でも使えるとしている。また、顔認証ではRealSenseの3Dカメラを使うことも可能。同社の説明では、RealSenseカメラの深度センサーを使ったほうが、(何度かやり直す手間を省けるという意味で)より正確な顔認証が可能だという。

 一家にPC1台どころか、スマホにタブレット、スマートウォッチなど1人で複数デバイスが当たり前の時代だが、そのぶんセキュリティーリスクは高まってきている昨今。これを機に自分のデジタル環境のセキュリティーを見直してみてはいかがだろうか。

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(2015年9月30日訂正:記事初出時、Tru Keyと記載しておりましたが、正しくはTrue Keyです。お詫びして訂正します。)

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