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今年も話題のスマホがたくさん発表! MWC 2015レポ 第21回

インテルセキュリティー、スマホ時代のセキュリティーをMWCで披露

2015年03月06日 20時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp

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パソコンとは違うセキュリティーアプローチ
スマホ時代のインテルセキュリティーの取り組み

 今年の1月、世界最大の家電見本市「2015 International Consumer Electronics Show」(CES)にてマカフィーから「Intel Security」として展開し、発表されたパスワードレスを実現するソリューション「True Key by Intel Security」(以下True Key)。MWCでもIntelブースにて大々的にアピールされていたが、モバイル関連イベントということで、PCではなくスマホに向けのソリューションが展示されていた。

 今回の展示にあたって、米McAfee(現・Intel Security)のチーフコンシューマーセキュリティーエヴァンジェリスト、ギャリー・デイビス氏にスマホ時代のセキュリティーの取り組み、そしてスマホ版True keyについてお話しを伺うことができた。

──最近ではPCを持たずにスマホのみという人もいますね。

デイビス氏(以下同) スマホを持つ人が増えるということはデバイスの数が多くなっているということ。最近では様々なデータをクラウドに上げるので、ネットワーク上の個人情報の数も増えています。例えばクレジットカードの情報なんかもショッピングサイトで入力していますよね? こういった情報はブラックマーケットではそのほかの情報の約10倍の価値がありますので、あの手この手で個人情報を盗みだそうと狙われています。ユーザーは保護のためにとても苦労しているので、それを手助けできるようなソリューションを考えています。

──具体的にはユーザーの端末はどのような攻撃をされているんでしょうか?

 一般家庭に置かれるネットデバイスは、1軒あたり25件くらいの脆弱性が見つかると言われています。しかもそのほとんどがパスワードに起因するものです。パスワードを標準のまま変更していない、誕生日など簡単なパスワードにしているなど、攻撃する側からすると非常にわかりやすいんです。弊社としては、ユーザーがセキュリティーに対応することは重要ではなく、むしろハードウェアメーカー側からもっとユーザーにわかりやすく、コンビニエントなソリューションが必要だと考えています。

CESでの展示。パスワードからの解放を訴えかけている

──PCはともかく、スマホではパスワードを全部一緒にしているユーザーも多そうですね。

 現在、ネットに接続できる機器の中で一番多くデータのやり取りがなされているのがスマホです。先ほど言ったとおり、簡単なパスワードが多いので、簡単な攻撃も多く見られます。マルウェアなどは良い例ですね。スマホは個人情報のかたまりです。しかも中身はだいたい同じなので、どこにどんな情報が入っているのかは容易に想像できてしまいます。情報をどこで管理するのかがこれから重要になってくるのです。

──そして今回、パスワードレスを実現する「True Key」をスマホに対応させたと。

 True KeyはすでにCESで発表したソリューションではありますが、今回はヨーロッパのモバイルキャリアに対して、ソリューションの提供を発表しました。MWCではモバイルを使ってどうやって認証させるか、モバイルを使って安全にウェブサービスにアクセスするには、といったことをテーマに展示しています」

──スマホ版はどのように変わったのでしょうか?

 基本的にAndroid版およびiPhone版のユーザビリティーはPC版、Mac版とほぼ同じになっています。顔認証、登録済み端末認証などいろいろな要素を用いて、ユーザー認証を行ないます。認証できたら、パスワードが必要なものはすべてパスワードレスでアクセスできるようになります。例えばFacebookやTwitterをパスワードを入力しなくてもワンクリックでログインできるのです。今回のMWCで発表されたサムスン電子の「GALAXY S6/S6 edge」、LGのG Watchにはプレインストールされる予定です。

MWCではスマホとの連携をアピールしている

──今後の展開を教えてください。

 ウェアラブルデバイスが増えていくと思うので、メディカルやフィットネスギアなどへのソリューションを考えていきます。これらには多くの個人情報が入ると予想され、モバイルコンテンツがゲートウェイとなって攻撃の対象になる可能性があります。今のところ、サムスンやLGのみですが、今後はそのほかのメーカーも増えていくと思われます。基本的に、ユーザーは無料でこれらのサービスを使うことができます。ただし、リージョン(国)によって提供方法は変わるかと思います。

──ありがとうございました。

(次ページでは、「True Keyのデモンストレーション」)

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