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テレビで5.1chアニメを観る! 最新キーワードは「ステージ型」

ヤマハ製8連超重力砲「SRT-1500」で劇場版アルペジオを堪能した!

2015年10月08日 11時00分更新

文● 鳥居一豊 撮影●篠原孝志(パシャ) 編集●ASCII.jp

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(C)Ark Performance/少年画報社・アルペジオパートナーズ

「テレビを乗せている台座。これが勝利のカギだ!」
日本の住環境にピッタリな「ステージ型」サラウンドシステム

鳥居 貴様らは耳だけでなく目も節穴かっ! 確かに東芝REGZAの43J10の内蔵スピーカーは音質も進歩している。しかし、いまのいままで音を出していたのは、テレビの下にあるコレだ!(ドンドンと机を叩く)

編集A これって、テレビ用のスタンドとかじゃないんですか?

編集B この中にサラウンド用のスピーカーが内蔵されている?

5.1chサラウンドのド迫力はこのテレビ台(?)から聴こえていたというのだが……

鳥居 その通り。これは「ステージ型」と呼ばれるタイプのスピーカーシステムだ。編集Aの言うように、日本の住環境では部屋の四隅にスピーカーを置くというのはかなりハードルが高い。だから、テレビ周りに置くだけで仮想的にサラウンド効果を再現するバーチャルサラウンド方式が生まれたのだ。

 前方に置く少数のスピーカーだけで5.1chが楽しめるから、省スペースで手軽にサラウンドが楽しめる!

編集A ずいぶん都合いいスピーカーがあるんですね!?

編集B テレビの下に置くから新規に置き場所を確保する必要がないのは魅力的です。でも、変わった形ですよね。

鳥居 まあ、外観は少々違和感があるかもな。そもそも、こういったサラウンドスピーカーはサウンドバー型、つまり棒状のスピーカーが今でも主流だ。テレビの前に置いて使うタイプだな。

 だが、最近の薄型テレビは画面周囲の枠(フレーム)など、画面以外の部分が極小化されていて、画面の前にスピーカーを置くサウンドバー型では画面と重なって映像が見えなくなってしまう恐れが出始めたんだ。

 それと、薄型テレビが普及した今はテレビラックもどんどん奥行きが短くなっていて、テレビの手前に置き場所が確保できないことも増えてきた。そこでテレビを上に置けるステージ型が登場したわけだ」

これはサウンドバー型の旧モデル「YSP-2200」。サウンドバーとサブウーファーの2つから成るサラウンドシステムだ

サウンドバー型はテレビの脚部をまたいで設置するのが常だったが、テレビは画面以外の極小化が進み、サウンドバーと画面が被ってしまう機種も増えてきた。「SRT-1500」のようなステージ型はそんな時代の流れから生まれたものだ

編集B ううむ。サラウンドスピーカーも省スペース化に合わせて進化している、ということですね。

 ここでもう少し詳しく解説しておこう。サラウンドスピーカーは、映画には欠かせない重低音の迫力を再現するため、別体のサブウーファーをセットにした2ピースのモデルが多い。だが、それでは置き場所や配線といった問題が生じてしまうため、より手軽に使うには一体型が望ましい。

 そこでこの「SRT-1500」はボディー内にサブウーファーも内蔵している。ステージ型は薄型テレビの設置スペースをそのまま利用できるから省スペースだが、実際はけっこう奥行きがあり、サイズは大きい(幅780×奥行き370×高さ77mm)。前方にはサラウンド再生のスピーカーがあるが、その後ろ側のスペースはほとんどがサブウーファーのための容積で、一体型ながら余裕のある低音再生が可能なのだ。

編集A それにしても、サラウンド再生はどういう仕組みで実現しているんですか? こんな薄型のボディーなのに。

鳥居 良い所に気がついたな。フロントグリルの奥をじっと見てみるがいい。スピーカーがいくつある?

編集B 中央に小さなスピーカーが……8つも!!

編集A いや、両サイドに楕円形のスピーカーまでありますよ。

中央に見える8つのスピーカーが、音をビームのように収束させて飛ばしている

鳥居 この「SRT-1500」はワンボディーでも、立派なリアルサラウンドが楽しめるスピーカーなのだ。それを実現したのがヤマハ独自のデジタル・サウンド・プロジェクター技術というわけ。

 デジタル・サウンド・プロジェクター技術とは、複数(「SRT-1500」の場合は8個)のユニットを高精度に制御することで、音の指向性を操る技術。

 音というのは空気の波(振動)なので、近接配置したスピーカーから複数の空気の波を再生すると互いに干渉し合って波が大きくなったり小さくなったりする。

 この特性を利用して、本来ならば波紋が広がるように上下左右に広がっていく音を、ビームのように収束させて一定の方向へ飛ばすわけだ。「SRT-1500」はその音のビームを5つ作ることができ、それぞれを壁に反射させることで、前方の左右、中央、後方の左右という5チャンネル分のサラウンド音声を再現しているのだ。

デジタル・サウンド・プロジェクターの5.1chサラウンド再生イメージ。いわゆるバーチャルサラウンドではなく、壁に反射した音が周囲から聴こえてくるという仕組み

編集B それはまさか、反射衛星砲?

鳥居 だから他のアニメから引用すんなよ。ここは少々無茶でも8連装超重力砲と言いたいところだな。

編集A 超重力砲が8連装というのは、それはそれで凄さが伝わります。

鳥居 ナイスなフォローだ。今晩、俺の母ちゃんを(以下略)。

正面にしか機材がないのに、後ろから音が聴こえる不思議体験を味わう編集部員AB

 では真面目に解説しよう。ヤマハにはYSPシリーズと呼ばれるデジタル・サウンド・プロジェクター技術を採用したリアルサラウンドが楽しめるスピーカーがラインナップされているが、本機は省スペースで身近に使えるステージ型スピーカーに、YSPシリーズの技術を投入したモデル。

 55V型までの大型薄型テレビに対応するよう、大型化されており、重要度の高い前方の音を充実させるため、左右2個のミッドレンジスピーカーも内蔵(左右の楕円形スピーカー)。サブウーファーと合わせて迫力ある音を楽しめるのだ。

鳥居 ワンボディー構成だから、接続が簡単なことも特徴だ。テレビとの接続はHDMIケーブル1本、PS3などのBDプレーヤーともHDMI1本でつなげる。あとは電源コードをコンセントに指すだけという簡単さだ。これならば、目も耳も節穴の貴様らでも接続できるだろう。

背面の接続端子部もシンプル。右端はWi-Fi用アンテナ

HDMIケーブルを2本、PS3とテレビにつなぐだけで極上のサラウンド体験が! ホコリよけのカバーも付属

編集B 確かに簡単。ワイヤレス派の僕でもすぐに使えて安心です。なにせ最近のキャッチフレーズは“配線は敵だ”ですから。

鳥居 それはそれでどうかと思うぞ……。ともかく、「SRT-1500」は、サラウンドスピーカーの初心者でも簡単に使えて、しかも本格的なサラウンドを楽しめるモデルなのだ。

最小限の配線で済むのもステージ型サラウンドシテムの利点。これにはワイヤレス信者の編集Aもニッコリ

(次ページでは、「「アニソンBGMも迫力たっぷりの音で楽しめる!!」」)

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