割り切ることでいさぎよい家電感
ただ、そうした問題を一番理解しているのがテレビを造っているメーカーです。今回のスピーカーと同種の製品として、ソニーには「RM-PSZ35TV」というスピーカー内蔵のリモコンもすでにあります。今回のSRS-LSR100は、そのスピーカーをもっと大きくしたものと言えます。
さて、現物を手にしてみると、久しぶりに対面する「家電製品」のいさぎよさに圧倒されます。なにしろできることはすべてボタンとして用意されている。言い換えれば、それ以外のことはなにもできません。最近のテレビはルーターにつないで、YouTubeなんかも観られるわけですが、そういう機能は操作できません。それはテレビ本体に付属のリモコンを併用せよということです。
SRS-LSR100のは、スピーカー本体と、音声信号のトランスミッター兼充電器のクレードルで成り立っており、クレードル背面のmicroUSB端子にACアダプター、音声入力にテレビのヘッドフォン端子をつなげば、即使えます。
ただ、ソニー以外のメーカーは設定が必要です。対応しているテレビのメーカーは、パナソニック、シャープ、東芝、日立、三菱、パイオニア、LG。ケーブルTVのセットトップボックスは、パナソニック、パイオニア、HUMAX、Bn-mux。それぞれのメーカーについて設定番号が振られており、スピーカー本体で設定する仕組みです。
ところで、左側のシーソー式のボリュームは、テレビ側の音量を調整するもので、テレビから離れた場所に移動するときは、テレビ本体のボリュームを下げる。家族でテレビを見ていて、自分だけちょっと聞きづらいときには、手元のスピーカーのボリュームだけを上げる、といった使い方ができます。
ただ、そうした使い方をするには、テレビのヘッドフォン端子にプラグを挿しても内蔵スピーカーから音が出るように設定するか、クレードルとテレビを光デジタルで接続する必要があります。
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