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テレビの音響体験を実用的に変える

ネットで注目のソニーのテレビスピーカーに圧倒的な家電感を見た

2015年09月20日 12時00分更新

文● 四本淑三、撮影●篠原孝志(パシャ)

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スピーカー単体の音質はごく普通、でもそれがいい

 スピーカーとしての構成は、パッシブラジエーター内蔵のステレオで、IPX2相当の防滴機能も持たせてあります。キッチンなどで使うケースを想定しているのでしょう。ACの給電時は2W+2W、バッテリー駆動時は1.3W+1.3Wと、ほどほどのパワーです。

 音質的にも、最近のBluetoothスピーカーのように、重低音がドカンドカンと鳴るような設定にはなっていません。本来の目的を考えると、それでは元も子もなくしてしまうので、これでいいのです。

 その代わりに「ボイスズーム」という、人の声を聴きやすくするボタンが付いています。これは音質補正と同時に、センターに定位した音声を強調しているようです。カラオケのボーカルキャンセラーの逆と考えればいいかもしれません。そして周囲の音に合わせて音量を自動調節する「おまかせ音量」という機能で、周りの音がうるさいからといって、ボリュームが上がりっぱなしになるのを防ぎます。

 スピーカー背面にはヘッドフォン端子があって、テレビから離れた場所でもヘッドフォンで聞くこともできます。

 気になるのは、クレードルとスピーカー本体は2.4GHz帯のデジタル伝送なので、映像と音声の間に若干の遅延が生じそうな点でした。楽器の奏者が出てくるような音楽番組では確かに遅延はあることを確認できますが、唇の動きと音声が極端にずれるということもなく、Bluetoothなどに比べれば気になりません。

 問題は、この製品を買って実家に送りつける場合です。まず実家のテレビやセットトップボックスのメーカーと、親御さんの家電リテラシーを勘案して下さい。そしてプレゼントするなら、メーカーのサイトからSRS-LSR100の取説をダウンロードしておいて電話で説明してあげるか、あるいは実家に帰って設定してあげるのが親孝行というものでしょう。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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