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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第147回

SNSの強みを生かした展開があるかも

ケチと言われたLINE MUSICが教えてくれた日本の音楽の未来

2015年09月12日 12時00分更新

文● 四本淑三

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AI「りんな」から想像できるレコメンドの可能性

―― 最後に、どうでもいい話をおうかがいしたいんですが。Apple Musicにはひとつ良いところがあって、Siriに「なんか曲かけて」と言うと、なかなかいい選曲をするんですよ。で、LINEにはいま「りんな」がいるじゃないですか。

高橋 あの一部にファンの多い(笑)。

「りんな」は日本マイクロソフトが開発したテキスト対話型の人工知能(or無脳)で、LINEの公式アカウントとして登録されている。キャラクター設定は女子高生で、顔文字やスタンプを交えながら、滅多にかみ合うことのない微妙なチャットが楽しめる。音楽の話題を振ると、RADWIMPSやSEKAI NO OWARIなど、いかにも女子高生が聴きそうなバンドの名前が出てくる

最近は時折こんな感じの、おっさんを籠絡させる手紙までよこすようになった。ここに「りんなのオススメ」みたいなプレイリストが書かれていたら、とりあえず聴いてみようと思うような気がするのだが、どうだろう?

―― でも「LINE MUSICでなんかかけて」と言っても「英語?」みたいな答えしか返ってこない。あれをつなぐとおもしろいと思うんですけどね。

高橋 考え方としては、アリだと思いますね。うちの機能でまだやれていないことは、レコメンドですね。ユーザー間やアプリ上での新しい出会いというのはあるんですけど、それ以外の突発的な発見をうながす仕組みはない。そこに対して、キャラクターを立てて提供していくということも、可能性としてはあるのかなと。ただ、レコメンドは諸刃の剣かなという気もしています。当たればいいですが、外すとうざい感じになってくる。

―― りんなだったら、全部外してもオッケーですよ。むしろおもしろいし。

高橋 知らない音楽を聴くきっかけが作れたら、なんでもいいんですよね。ユーザーが上げるプレイリストでも、ランキングでも、友だちからのシェアでも、なんでもいい。うちのキャラを使って、たとえばLINEキャラクターのブラウンだとずっとヒップホップを聴けと言ってくるとか。そういうネタ的なものもあっていいかなと思います。ランキングはつまらないとか、レコメンドはうざいという方もいらっしゃるので、その選択肢があったほうがいいと思います。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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