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IFA 2015レポート 第22回

事業開始50年の節目に、DD駆動のレコードプレーヤーなどを投入

Technics再始動、2年目はレコードに加え、ミニマムシステムを

2015年09月11日 15時58分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII.jp

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ダイレクトドライブを時代に合わせて改良

 一方、ダイレクトドライブ方式アナログターンテーブルは、「多くの放送局で採用された伝説のSP10を超え、多くのDJに愛されたSL1200も超える製品になる」と位置づけた。

2016年度中の製品化を発表したダイレクトドライブ方式ターンテーブル

 従来のアナログターンテーブルは、回転中の微小な振動や回転ムラなどの要因が音質を劣化させるという課題があったが、今回開発した試作機では、新開発のD.D.モーターと、新設計の高精度モーター制御技術を駆使することで、こうした課題を克服。滑らかで高安定な回転を実現したのが特徴だ。新開発のD.D.モーターは、コアレス(鉄心の無い)ステーター(固定子)を用いることで、コギングを排除。ツインローター(回転子)により、強いトルク(回転力)を保ちながら軸受け荷重を低減し 回転中の微小振動の低減を実現したという。また、オイル含浸タイプの高精度な軸受で、回転中の不要な振動を低減することにも成功した。

 さらに、新開発のモーター制御技術では、動作状態に応じてステーターコイルの駆動モードを切り替える「回転制御技術」により、高起動トルクと高安定性を実現。「学習型補正制御技術」によって、高精度な回転位置検出と負荷変動要素に応じた最適補正を実現したという。

 「アナログレコードに刻まれた温かみのある音や、精妙なニュアンスの音の再現を可能にする」という。

 また、小川役員は、「Technicsを復活してから、この1年間に渡って、ターンテーブルの復活に期待する声を数多くもらった。イスラエルからは2万5000人の署名による嘆願書をもらい、ディーラーからもターンテーブルを早く復活させて欲しいという声をもらっていた。だが、ターンテーブルの最後の製品がDJ向けという位置づけとなっていたため、Technicsが目指すHi-Fiオーディオとはポジションが異なる。また、楽器店を中心としたDJ向けの販売ルートとも大きく異なる。まずは、Technicsとして、Hi-Fiオーディオという世界をきっちりと立ち上げていくことを優先した。今回の製品も、あくまでもHi-Fiオーディオという観点から製品化していくことになる」という。

 価格については未定としているが、「かつてTechnicsで出してきたダイレクトドライブ方式のターンテーブルを超えるスペックを実現。ある程度の価格帯にならざるを得ない」としている。

 なお、ターンテーブルの今後の開発状況については、SNSなどを通じて発信していくという。

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