IFA 2015に出展されているメーカー各社の薄型テレビを見ると、今年の出展は明確に一つのトレンドを見て取ることができた。「HDR」(High Dynamic Range」への対応だ。
「HDR」とは、次世代BDこと「UltraHD Blu-ray」や「Amazon」「Netflix」といった映像配信で採用される、映像の輝度方向のレンジを拡大するという高画質の考え方だ。薄型テレビの機能として見ると画面の輝度拡大、特に画面全体の明るさだけでなく映像の中の光のある箇所だけを突き上げる瞬発力が求められる。
日本の市場を見ても判る通り、4Kは薄型テレビ全サイズで占める比率にして10%ではあるが、次なる差別化の要因として各社一斉に「HDR」へと向かっているのだ。
さて、そんなIFA 2015の薄型テレビをめぐる出展のなかから、特に気になったデモを紹介していこう。
遂に日本メーカーも参入 パナソニックの4K有機EL発売へ
まず、画質の良さという点で文字通り飛び抜けていたのがパナソニック初の4K OLED(有機EL)のテレビである「CZ950」だ。遂に日本メーカーがOLEDテレビに参入というのはビッグニュースだが、採用するパネルは曲面型の65インチのタイプ。公式には非公開だがRGBW方式の韓国LG製パネルだ。
欧州市場をターゲットんして今年10月欧州市場投入を狙ったもので、ファブリック製のバックカバーの付属などデザイン製最上級。価格は未定とのことだったが、おそらく日本円で100万円は超えるプレミアムな商品となるだろう。
ソニーも”曲面型”液晶を網羅
続いて、同じく国内メーカーのソニー。超薄型で壁掛け対応の「Perfect Wall Mount」を訴求するBRAVIA X90Cと欧州市場向けに投入する曲面液晶モデルS8505Cをアピールしていた。
日本のユーザーにとって曲面液晶モデルS8505C(展示機は65型のみ)を日本メーカーのソニーが展示していたのもインパクトのある内容だが、基本性能は4Kパネルに「X1エンジン」、さらにはHDRの表現力とソニーの技術がつぎ込まれている。
ソニーは欧州向けの4KプロジェクタとしてVPL-VW520ES/320ESを出展し、シアタールームで「アメイジング・スパイダーマン」の4K&HDRスペシャルバージョンの映像デモを上映していた。プロジェクタのVPL-VW520ES/320ESは日本での発売の未定のことだ。
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