ADSLサービスは縮小傾向
でも、光ファイバーは高すぎる……
2015年7月、とうとうNTT東西がADSLの新規受付終了を発表した。実際の終了はまだ1年ほど先(2016年6月末)であり、現在利用中のユーザーはそのまま利用できるほか、他社ADSLは終了発表をしていないので完全終了というわけではないが、ADSLが縮小傾向に向かってることだけは確かなようだ。
将来、便利で安価な固定回線がなくなってしまうと心配する人もいる一方で、固定電話を廃止したいが、ADSLが使えなくなったりADSLの料金が跳ね上がってしまう心配をしていて、今すぐ安価な代替回線を求めている人もいるのだ。
しかし、ADSLの代替に光ファイバーとなると、料金の壁が厚すぎる。マンションタイプで安価に利用できる場合もあったとしても、10Mbps程度の速度のADSLを月額2000円程度で利用してきた人にとっては、毎月3000~6000円という費用は、とてつもなく高く感じるはずだ。
そして、光ファイバーというと加入が非常に面倒に感じられる。マンションでは光ファイバーの業者のチラシがひっきりなしに入っていて、それで申込んでしまえば済むのかもしれないが、工事が必要となると信頼できる店から申し込みたい。
では、店に行けば専門用語を並べられてもっとよくわからず、2年縛りや工事費分割払いまで説明されると、もっと面倒になってしまう。
ということで、今、注目したいのが自宅の回線をモバイル回線で代用するということだ。
ただし、一時期、一部のお店が無理にすすめていたLTE対応タブレットのテザリングで固定回線を使うようなことは考えず、当然のことながら接続のたびに面倒な操作が必要なものも論外だ。
そして、長期契約的なものもできれば避けたい。必須なものとして、テレビや家電などの安定した接続のため、有線LANがきちんと使える回線を考えてみたい。
なお、モバイル回線にすれば必ずしも光ファイバーより安く済む、という話ではないので回線選びも重要。そのあたりは最後のページで紹介する。
固定回線としてモバイルルーターを使う!
最も順当なのがクレードルに有線LANポートのあるモバイルルーターを使い、有線LANもWi-Fiもぜんぶまとめて使ってしまおうというもの。完全にそれを狙っている製品として、UQ WiMAXの「URoad-Home2+」や、固定のサービスとしてモバイル回線を使っている「Softbank Air」がある。
また、モバイルルーターに充電台(クレードル)を組み合わせて有線LANをサポートする方法もあり、NTTドコモなら「Wi-Fi STATION HW-02G」、WiMAXなら「Speed Wi-Fi NEXT WX01」「Speed Wi-Fi NEXT W01」、そして最近話題の格安SIMことMVNO(仮想移動体通信事業者)では、家電量販店ですぐ買える「Aterm MR04LN」または「Aterm MR03LN」となる。ちなみにワイモバイルには有線LAN対応機種はない。
どちらのタイプもモバイル回線を使っており、機器を置いて電源をつなぐだけで使えるため、ADSLや光ファイバーのような設置や撤去の工事は不要。引っ越しがあったとしても、機器ごと持ち運んでしまえば移転工事もいらない。
速度の点でも、格安ADSLで提供されていた12Mbpsよりも高速になることも多い。また、上りは混雑がなければずっと速くなり、データのアップロードも短い時間で済むようになる可能性がある。
(次ページに続く、「セキュリティー的にも良策! 1人暮らしなら回線を持ち歩いてしまう方法も!」
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