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最新版! モバイル通信をお得に活用する方法 第3回

ADSLの置き換えに! モバイルルーターを固定回線代わりにして費用を抑える

2015年09月02日 12時00分更新

文● 正田拓也

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セキュリティー的にも良策!
1人暮らしなら回線を持ち歩いてしまう方法も!

 問題は、モバイル回線を使った場合、費用の問題と容量制限があること。WiMAXやSoftbank Airはキャンペーンで安い時期もあるが、通常は月額4000円オーバー。50Mbpsなどの高速ADSLとは同等だが、2000円弱の低価格ADSLからすると月額費用がオーバーする。

 容量制限は、ドコモや格安SIMは容量によって価格が違うが、制限がないとうたっているWiMAXやSoftbank Airでも、前者は3日間で3GB以上利用時、後者は時間帯によっては動画や高画質画像閲覧、P2Pファイル交換などで著しい量の通信があった場合は制限が入るとしているため、朝から晩まで動画サイトを見まくるようなことをすれば、何らかの制限があると思っていいだろう。

 ということで、残念ながら安くていい、完ぺきな回線はないということで、反対にメリットを中心に考えてみたい。一人暮らしの場合など、留守中のインターネットは不要と割り切るなら、クレードル接続タイプのモバイルルーターが便利だ。

 外出時にノートPCや、LTEなどを装備していないタブレットなどが使える上、家に戻ればクレードルに差し込み、そのまま充電を兼用しながらネット回線を使うことができる。自分が外出している際は、家ではまったくインターネット接続がないので、セキュリティー的にも安心だ。

 モバイルルーターと家用の2つの回線を持つことに比べれば、月額4000円程度のモバイルルーターの維持費用もあまり割高に感じなくなってくる。スマートフォンを持っていれば、モバイルルーターと会社を合わせることで、さらに割引も期待できる。

自宅の固定回線を格安SIMで代用してみる

ドコモのWi-Fi STATION HW-02Gは有線LANのあるクレードルが付属する

ドコモのWi-Fi STATION HW-02Gは有線LANのあるクレードルが付属する

 一方、格安SIMでとにかく安く、しかも面倒な長期契約のないモバイル回線利用もある。現在の格安SIMの相場は3GBで月額900円(ユニバーサルサービス料と税を含んで974円)。

 格安SIMの場合は端末がタダに近い金額で手に入ることはないので端末代が加わる。使えるモバイルルーターは、単体で売られているNECプラットフォームズの「Aterm MR04LN」または「Aterm MR03LN」に別売クレードルを使う組み合わせや、ドコモの「Wi-Fi STATION HW-02G」を中古ショップで状態のいいものを入手する方法などがある。費用は1万5000円~3万円を少し超える程度。

 また、USB接続のLTEモデムに対応するブロードバンドルーターを組み合わせる方法がある。端末側は、ドコモのLTEの最初期に出た「L-02C」が中古で非常に安く手に入るが、現在(ドコモでは)現行機種がない。

 L-02Cは対応バンドとエリア、最高速度の面で劣ることもあるが、固定で使うなら大きな問題ではない。L-02C以降もUSB端末は登場しているが、割高で中古市場も極めて少ない。

「L-02C」

ドコモのUSB端末「L-02C」。現行機種ではない

ヤマハの「NVR500」

ヤマハのSOHO向けルーター「NVR500」。2010年発売の機種だ

 ルーターは一時期は複数の対応機種があったのだが、現在、新品で入手が容易で安定して使え、現実的な価格のものはヤマハの「NVR500」程度。

 数年前までさかのぼって中古入手まで考えれば、もう少し機種は広がるが、筆者がいくつか試した中では、接続が不安定だったり、想定どおり動かなかったり格安SIMの設定ができないなど、NVR500ほどまともに使えるのはかなり少ない。

 個人的には中古でNVR500とドコモのL-02Cという組み合わせがおすすめだ。比較的入手もしやすく、店を選べば2つ合わせて2万円ちょっとで入手できる。

 NVR500は、設定さえしてしまえばADSLモデムと同じように、コンセントに差したら回線が接続され、コンセントを抜いたら回線が切れる、という当たり前の動作ができる。固定回線代わりとしては最良の動作だろう。

NVR500にL-02Cを差せば、格安SIMも固定回線にできる

NVR500にL-02Cを差せば、格安SIMも固定回線にできる

 一方のモバイルルーターは電源アダプターのコンセントを差しただけでは動作せず、ボタンを長押しするなどの手間が必要。また、コンセントを抜いてもバッテリー動作にあり、即通信切断とはならない。

 あまりネット操作に詳しくない人のいる場所でのADSL置き換えにはモバイルルーターは向かないと思っている。今後、コンセントの抜き差しで電源ON/OFFができるようなLTE通信ルーターが再登場するのを願うばかりだ。

 なお、多くの格安SIMは3日間で数百MB(サービスにより違いがあるが)のデータ通信を行なうと速度規制がかかる可能性が出てくる(200kbps以下まで制限される場合もある)。固定回線として使う場合は、1日あたりのデータ通信量を考えて使わないと厳しいことになるかもしれない。

(次ページに続く、「月額料金などを比較! トータルの安さなら格安SIMがダントツ

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