ピュア・オーディオ志向の本格的な音
4万円前後のオーディオテクニカ「ATH-CKR10」
ここからは価格帯をぐっと上げてより高級なモデルを紹介しよう。Apple Musicだけでなく、ハイレゾ再生も含めて高音質で楽しみたい人向けのモデルだ。
オーディオテクニカの「ATH-CKR10」(実売価格4万円前後)は「CKR」シリーズの最上位モデルで、13mm口径のドライバーを2つ対向配置した「デュアル・フェーズ・プッシュ・プル」方式を採用。高い駆動力と広帯域再生を実現する。
もちろんハイレゾ対応で、周波数特性は5~40kHz。さらに、ユニットの土台となるヨーク(木材)に純鉄を採用したほか、ハウジングは音響特性に優れたチタンを採用するなど、徹底した音質追求が図られている。
このほか、コードはスタッカード縒り線、プラグはアルミニウムスリーブとすることで不要な振動を抑えている。付属品は4サイズのイヤーチップとキャリングポーチだ。
高価なイヤフォンになるとサイズが大柄になる傾向があるが、本機はそれほど大柄という印象もなく、イヤーチップ部分が角度をつけた配置になる。耳に沿うような感じで装着するため、耳からはみ出すような感じがなく装着感は軽快だ。
その音は、iPodでApple Musicを聴いているとは思えない本格的な音。高音質な携帯プレーヤーでハイレゾ音源を聴いている感じにかなり迫ってくる。
クラシックでは、個々の音の粒立ちがよく、実体感のあるリアルな音像と広々とした音場の広がりが味わえる。低音も量感だけでなく、しっかりとした低音の伸びがあり、低音楽器によるメロディもしっかりと再現される。
モニター系の忠実感豊かな音だが、テンポの変化やニュアンスの表現力も優れているので、分析的な音にならず楽曲のよさをしっかりと味わえる音になっている。
ポップスでは、ボーカルの声のニュアンスのよさが見事だし、バックの演奏もシンセサイザーのベースの深い響きもしっかりと出ているなど、情報量がたっぷりと出た再現となる。
これだけ情報量が多いと、CDからリッピングしたリニアPCMと聴き比べるとその音質差も明瞭に分かってしまうのだが、単独で聴いている分には思ったほど物足りなさは少ない。これも単に情報量が多いのではなく、音楽としての表現力が豊かな再現であるためだろう。
(次ページに続く、「ダイナミック型とBA型のハイブリッド ソニー「XBA-Z5」」)
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