1万円台でハイレゾ対応!!
ラディウス「HP-NHR21」
続いては、PC周辺機器なども手掛けるラディウスの「HP-NHR21」(実売価格1万4000円前後)。イヤフォンに限らず、ポータブルヘッドホンアンプなどのハイレゾ対応機器を数多くラインアップしている会社だ。
PCオーディオの普及で、最近はPC周辺機器メーカーなどから安価で優秀なオーディオ製品が数多く登場してきている。今や実力的にも同価格帯ならばオーディオ専業メーカーにも負けないものとなっており、見逃せない製品が増えている。
HP-NHR21は、驚くことにハイレゾ対応の製品で、周波数特性は5Hz~40kHzと超高域の再生にも対応している。その秘密は、ダイナミック型ドライバーの磁束漏れをマグネットの反発磁力で閉じ込め、磁束密度を高めた「High-MFD構造」の採用。これにより、ドライバーの感度が約4dB向上しているという。
これに加えて、ハウジング部にはバスポートを備えて低音域の再現性を向上。イヤーチップの装着位置を2段階で調節できるアジャスタブルポートと耳の穴の奥でイヤーチップがフィットする形状を採用するなど、装着感にもこだわったものとなっている。
ケーブルはナイロン素材の被覆を採用することで絡みにくくするなど、あらゆる面でこだわりの作りとなっている。
その音は1万円台のものとは思えない実力。クラシックを聴くと、自然で伸びやかな低音が音楽を支え、ナチュラルでのびのびとした音色でメロディーを奏でる。
中低域が厚く実体感のある音になっているし、高域もきめ細やかでしっとりとした感じで実に聴きやすい。
ハイレゾ対応ということでハイレゾ音源も聴いてみたが、教会の豊かな響きを収録したパイプオルガンの演奏では、天井の高さまで感じられる空間の広がりをしっかりと描き出すし、パイプオルガン特有の長く持続する低音の響きも豊かに鳴らす。
ポップスやロックを聴くと、ゆったりとした低音感のせいか、スピード感やキレ味がいくぶんマイルドになる印象だが、声はのびのびとして気持ちよく聴こえるし、ニュアンスの再現も豊かだ。また低音がマイルドとは言っても、ずしりとした重量感やベースのエネルギー感はしっかりと感じられるので、熱気や勢いのよさに不満はない。
ゆったりと堂々とした鳴り方はクラシックやアコースティック楽器主体の演奏などが相性がよさそう。また、ハイレゾ対応でもあるので、Apple Musicだけでなくハイレゾ音源も含めて聴いているという人にもおすすめできるモデルだ。
(次ページに続く、「高解像度で軽快なサウンドが楽しめる! クリエイティブ AURVANA IN EAR 3 PLUS」)
この連載の記事
-
第3回
AV
Apple Musicがハイレゾ相当の音質に!? おすすめポタアンをピックアップ! -
第1回
AV
Apple Musicを使ってわかった! 定額音楽配信の便利さと課題 -
AV
Apple Musicをいい音で楽しむ! iPhoneオーディオ強化術 - この連載の一覧へ