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Apple Musicをいい音で楽しむ! iPhoneオーディオ強化術 第2回

イヤフォン交換でApple Musicの音質をグレードアップ!

2015年08月18日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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高解像度で軽快なサウンドが楽しめる!
クリエイティブ「AURVANA IN EAR 3 PLUS」

ゴージャス感のあるクリエイティブ「AURVANA IN EAR 3 PLUS」

ゴージャス感のあるクリエイティブ「AURVANA IN EAR 3 PLUS」

 PCオーディオ業界のパイオニアであるクリエイティブの「AURVANA IN EAR 3 PLUS」(実売価格1万5000円前後)は、BA(バランスド・アーマチュア)型ユニットを2つ内蔵した2ウェイモデル。

 PC用のオーディオカードやオーディオデバイスのサウンドブラスターで有名なクリエイティブの製品は、比較的安価な価格ながらも機能やスペックが充実していることが特徴。1万円台でダブルBA型であることをはじめ、本機もなかなかの高機能だ。

ケーブルの途中にスマホコントロール用のリモコンがある

ケーブルの途中にスマホコントロール用のリモコンがある

航空機内用のアダプターも付属する

航空機内用のアダプターも付属する

 ケーブルの被覆はナイロン素材の網組でケーブルがからまりにくいように配慮されている。見た目も高級感があるのが好印象だ。

 また、Android/iOSに対応するリモコン/マイクの付属をはじめ、交換用イヤーチップ(シリコン系3サイズ、ウレタン系1サイズ)や航空機内用アダプター、キャリングケースと付属品も充実している。

 その音は、レスポンスに優れた軽快なサウンドで、ジャズのテンションの高い演奏をキレ味鋭く再現する。高解像志向で、細かな音までしっかりと再現する。反面、ドラムのずしっとした響きはやや軽めの印象になる。

 クラシックでは、各楽器の音をきめ細かく再現するし、ステージの見通しも良好だが、大編成のオーケストラの雄大さやスケール感がややこじんまりとした印象になる。

 好感触だったのはポップスで、特にボーカルの再現がニュアンス豊かで表情の変化がよく伝わる。音色もやや高域が華やかになるが基本的に忠実傾向だ。

 音楽のジャンルを問わず、曲の持ち味をきちんと再現するタイプなので、Apple Musicで普段は聴かないジャンルの曲をいろいろと聴いてみたいという人にはおすすめのモデルと言える。

一番音のいいiOS端末はiPod touch!?

 前回紹介したとおり、Apple Musicはロッシー(非可逆)圧縮音源(AACフォーマット)、転送レートは最大で256kbps程度と言われている。

 ただし、転送レートは接続した回線によって自動切り替えされるようで、回線事情が良好な家庭内のWi-Fiなどならば256kbps程度になるが、3G接続やLTE接続ではさらに転送レートが下がるものと思われる。

 ロッシー圧縮というだけで、音質にこだわりのある人はがっかりしてしまうかもしれないが、通勤などで気軽に楽しむのはApple Music、気に入った曲はCDやハイレゾ音源で購入するといった使い分けをすれば、膨大な曲を毎月980円で楽しめるし、手当たり次第にCDを買うことも減るから結果的にお得ということにもなる。このあたりは、賢く使い分けるのがいいと思う。

 そして、ロッシー圧縮だからこそ、こまめなノウハウによる高音質化が効く。一番効果がある方法は、再生に使うプレーヤー(iOS端末)の吟味だ。これについては、iPhone……と言いたいところだが、筆者個人の独断ではiPod touchが最適と言いたい。

 ただし、このためにあえて比較試聴をしたわけではなく、手持ちのiPod touch(先代モデル)と、取材などで使ったiPhone 5、iPhone 6、手持ちのiPad miniなどと聴き比べた結果なので、あくまで参考レベルだ。

 もちろん、それなりの理由がある。まずは、音声出力がしっかりとしていること。これはヘッドホン出力にオーディオケーブルをつなぎ、手持ちのアンプやオーディオシステムの外部入力に接続して聴き比べてみるとすぐわかる。

 再生機器側のボリュームが一定でもiPod touchを接続した時が一番大きい音が出る。これは信号の出力レベルが大きいということ。実際に試してみるとかなり音量が違うので驚くはずだ。

 iPodはあくまでも音楽プレーヤーなので、さまざまなヘッドホン、イヤフォンと組み合わせて使うことを考慮している。だから低インピーダンスのヘッドホンと接続してもそれなりの音が出る。

 ハイレゾ対応を含めて高音質な携帯プレーヤーが数多く登場しているので、相対的に音質のいいイメージは薄れているが、必要にして十分な実力をiPodやiPod touchは備えているのだ。

 逆にiPhoneは本来の使い方(携帯電話機能)のためにバッテリー寿命を長くすることを意識しているのか、そのために音声出力などは控えめにして消費電力を下げていると思われる。iPadもオーディオ専用の使われ方ではないし、画面サイズが大きいのため、オーディオ周りは省エネ志向になっていると思われる。

 こうしたiPodシリーズとそれ以外のiOS端末では、メインの用途が違うので、オーディオ回路の設計自体にも違いがあると思われる。もちろんそれなりに音質にもこだわっているのはiPodシリーズの方だろう。

(次ページに続く、「ピュア・オーディオ志向の本格的な音 4万円前後のオーディオテクニカ ATH-CKR10」)

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