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情報の取り扱い説明書 2015年版 第6回

個々の編集力が求められる

アップルも情報遮断の時代、情報をうまく受け取る4つのポイント

2015年07月14日 09時00分更新

文● 高橋幸治、編集●ASCII.jp

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アクセスが困難な情報も一段と増加する

 われわれを取り巻く現状のメディア環境を考えるとき、3の「メディアが多様化しても取り扱われるトピックの重複化は進むため、本当に価値のある情報は一層見えづらくなっていく」もかなり重要なトピックである。

 メディアは人間のさまざまな欲望を白日のもとにさらすから、種々雑多なメディアが乱立すればするほど、あらゆることが可視化されるように思いがちである。

 しかし、現在の、特にインターネットにおける情報は鮮度やPV、コメント数が価値として認定されているため、「最新の情報」か「話題の情報」の価値は好循環的に上がる反面、そうでないものの価値は悪循環的に下がっていく。

 従ってもともとマスメディアへのオルタナティブであったソーシャルメディアでも、往々にしてマスメディアと同種の情報が大勢を占めるようになってしまう。マスメディアとソーシャルメディアとの「奇妙な相互依存」あるいは「奇妙な共犯関係」が進めば進むほど、埋没して見えなくなってしまう情報は確実に増加していくだろう。

 かつて、1990年代初期のインターネット黎明期、Yahooの初期画面のメニューには「What's New?」と「What's Popular?」のほかに「What's Cool?」というカテゴリーが存在した。最新でもなければ話題でもない、しかし、何やら捨て置けない気になる情報の格納場所である。

 こうした情報と接触できる機会のひとつは、おそらく、ネットのソーシャルメディアではなく、リアルなソーシャルメディアなのかもしれない。

英のサイト「EtonDigital」より。インターネット黎明期における「Yahoo!」創業当時のトップ画面。まだ現在のような「検索」ウィンドウは用意されておらず、ディレクトリーを上層から下層に掘っていくことによって情報を探し当てていた。面白いのは「What's New?」と「What's Popular?」の間に「What's Cool?」というカテゴリーが存在すること。これだけ情報が溢れていながら、「クールな情報」は、いま、極めて入手しにくくなっている

(次ページでは、「今までとは違うSNSの登場」)

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