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「いらっしゃいませ」をECに サザビーリーグ導入の「KARTE」とは (1/2)

2015年06月11日 11時00分更新

文●野本纏花

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最新トレンドを実践するEC事業者に取材し、どのように成果をあげているのかをレポートする「最新トレンドの成功者から学べ! ECサイト研究レポート」。今回はECサイトでリアル店舗と同等の接客を目指すWeb接客ツール「KARTE」と、KARTEを利用するサザビーリーグをとりあげる。KARTEを提供するプレイドCEOの倉橋健太氏とサザビーリーグ社長室事業推進部WEB戦略チームの村松健至氏に、Web接客の考え方と効果をお話いただいた。

︎“Webでは接客ができない”悩みを解決する「KARTE」

“Web接客”という耳慣れないWebサイトでの客あしらいを展開している「KARTE」というサービスがある。「KARTE」は、ECサイトを展開するこんな声に応えるサービスだ。

「リアル店舗では来店されたら『いらっしゃいませ』、お客さまが商品を触ったらお声がけをするのが当たり前。同じことをWeb上でもできないかと常々思っていました」

「リアル店舗で当たり前のことがWebでもできないかと思った」と語る株式会社サザビーリーグ社長室事業推進部WEB戦略チーム村松健至氏

こう話すのは、「KARTE」を導入しているサザビーリーグの村松健至氏。村松氏が務めるサザビーリーグは、「Ron Herman(ロンハーマン)」や「ESTNATION(エストネーション)」、服飾雑貨の「agete(アガット)」や「SAZABY(サザビー)」など、全12ブランドを保有する、言わずと知れたアパレルメーカーだ。ネットでもブランドを横断したアグリゲート型の公式通販サイト「The SAZABY LEAGUE ONLINE STORE」を展開している。

サザビーリーグのオンラインストア

もともとリアル店舗で販売員をしていた村松氏がECの担当になって感じたのが、接客に関する打ち手の少なさだった。広告やメルマガで集客することはできても、そこから先はお客さまの気分次第。コンテンツやデザインで勝負するしかなく、スマートフォンやパソコンで店を訪れているお客さまに声をかけることはできない。

当たり前のことを当たり前にできないもどかしさを抱えていた村松氏が、Googleで「Web 接客」と検索してたまたまたどり着いたのが、プレイドのWeb接客ツール「KARTE」だった。

︎Web接客の実際

Web接客ツール「KARTE」とはどのようなサービスなのだろうか。

お客さまがECサイトを訪れると、「どのサイトから訪問したのか」「新規または既存の訪問者なのか」「購入履歴はあるのか」などの情報がKARTEのサーバーへ送信される。KARTEのサーバーは、受け取った情報から、あらかじめ設定された条件にあてはまるお客さまに“Web接客”をする。具体的には、「割引クーポンなどの特典情報」「新着情報」「会員ランクのお知らせ」などをポップアップかページ内の上下に表示する。

お客さまの情報がKARTEサーバーに送られてからWeb接客が表示されるまでは、1秒にも満たない。このわずかな時間に自分宛てのメッセージが表示されたら、お客さまは自分が大切にされていると感じるだろう。会員登録後の初回ログイン時だけ「会員登録していただきありがとうございます」というメッセージを表示したところ、購入率が20〜30%も向上したECサイトもあるそうだ。

KARTEを使ったWeb接客の流れ

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