初期の格安SIMはプリペイド式が主流だったと思う。それがいつのまにかクレジットカード払いのポストベイドが主流になり、ご存知のとおり価格競争がはじまり、今のようにある程度の容量が気軽に利用できる状況になってきた。
カード払いになることで安くサービスを受けられることは歓迎だが、プリペイドの便利さも捨てがたい。そこで今、加入できるプリペイド方式の格安SIMを調べ、活用方法を探ってみた。
カードが使えない場合や領収書で簡単に経費精算ができる!
プリペイドの便利さと言えば、クレジットカードが使えない事情があったり、現金で払いたいという場合に好都合だ。クレジットカードを持っていないというよりも、グループの利用では割り勘がしやすかったり、会社員の場合は経費としての処理がしやすいことも大きいかもしれない。
具体的な使い道は、サークルの部室や任意団体の事務所の共用PC、さらには高齢者のネット環境までさまざま。安い低速ADSLよりもさらに安く、気軽に契約できることもあり、もっと見直されてもいい接続方法だ。
固定回線を代替としては、モバイルなので物理的な電線や光ファイバーを引くための手間や工事が必要ない。問題といえば、簡単に使う場合の方法が限られてしまうことで、前回の記事で紹介したようなルーターとUSB端末を組み合わせればいい。
プリペイドタイプの料金は高めだが、安くなる条件もアリ
さて、プリペイドタイプの格安SIMで残念な点といえば、料金が高めということだ。たとえば、今回試す「OCN モバイル ONE」の場合、継続して利用するために買い続ける必要がある延長パッケージの値段は、一日50MBを50日間という期間型で2376円、1GBという容量型で2160円と通常契約のものよりも割高。これは他社のプリペイドタイプの格安SIMでも同様だ。
一方、費用を安く抑える条件もある。OCN モバイル ONEを4ヵ月近く使い、容量はほとんど使わず1GBに収まった場合だ。OCN モバイル ONE プリペイドの容量型の初回パッケージは、最初の登録から3ヵ月後の末日まで有効なので、月初に開通させればほぼ4ヵ月間使える。
それで価格は3456円。通常の契約であれば、初期登録費用を含んだSIMパッケージが3240円、初月は無料なので2~4ヵ月目に一日110MBコース(月額972円)を選んだ場合、ユニバーサルサービス料まで含めて6162円。1GBを4ヵ月で少しづつチビチビ使うという前提であればかなり安く済む。
同様に、延長パッケージを利用しても安く済ませられる。容量型の1GBの追加パッケージは2160円。しかも上限容量に達しなければ、同様に3ヵ月後の末日まで有効なので、ほとんど使わないけど回線は欲しいという場所にぴったり。もし、一時的に大量にデータ量を使ってしまったなら、延長パッケージをその都度買えばいい。
延長パッケージも在庫さえあれば家電量販店店頭ですぐ買える。現金払いもできて領収書処理もしやすい。場合によっては店舗の値引きやポイントもついて、さらにお得になることもある。
契約変更ができるため
お試し利用にも適したプリペイド方式
格安SIMの利用を検討している場合に、実際に試してから本格利用を決めたいというときにもプリペイドは最適だ。OCN モバイル ONEの初期パッケージの価格を見てみると、通常利用の開通パッケージとそれほど変わらない金額だ。
それでいて、最初に試すには十分な通信量が付属しているため、使って満足したら通常利用に移行するという方法もできる。もしサービスに不満があったなら、そのまま放っておけば自動的に利用が終了する。通常利用タイプでは解約手続きをしなければならないので便利だ。
通常利用への契約変更は、変更できるものとできないものがある。できる場合は通常利用契約の最初にかかるSIM代や初期費用である3240円がかからないものが多く、プリペイドのお試し利用で払った金額はあまり無駄にならないのだ。
また、OCN モバイル ONEのほか、「IIJmio」でも「mineo」でも同様にプリペイドから通常利用に移行することが可能だ。特にデータ専用プランながら1年間の最低契約期間を設けているmineoは、まずはプリペイドで開通し、問題ないと思ったら通常プランにすることを強くすすめたいほどだ。
データ専用、SMSなし、低速通信なし
この3点がデメリット
ここまで見るとプリペイドにも結構魅力がある。しかし、プリペイドの格安SIMではできないことがある。それは、音声通話とSMS。音声通話はなくてもかまわない人が多いかもしれないが、SMSサービスは、一部の端末ではSMS利用ができないとアンテナピクトや動作に影響がある場合があるため必要な人もいる。SMSがない場合の影響も十分に注意しておきたい。
また、mineoの通常契約はSMSを利用可能にするための月額基本料の上積みは必要ない。プリペイドでもSMSが利用できそうに思えるが、プリペイドはSMSを利用可能するようにはなっていない。
そして、注意が必要なのは一部を除いて容量の上限に達すると、通信がストップする点。通常契約の格安SIMは容量を超えると通信速度が遅くなるものの使い続けることが可能。しかしプリペイドの場合は通信がストップしてしまうのだ。
(次ページへ続く、「クレカの登録が不要なので開通は簡単!」)

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