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突然訪れた10年目の社長交代とまさかの爆笑会見!

ハイブリッドなヴイエムウェア新社長、大いに語る

2015年03月04日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2つの文化が融合している日本法人の強み

 プレゼンの後半、そして記者との質疑応答では、長らく立ち上げに携わってきたヴイエムウェア日本法人について熱く語った。

 2001年から国内で取り扱われるようになったVMwareの販売やサポートを拡充すべく、日本法人のヴイエムウェアが設立されたのは、今から14年前の2003年。2005年には三木氏が社長就任。初めてのイベント「VMware Fair(現:vForum)」を開催した。2007年からはロバートソン氏も合流し、二人三脚で日本でのビジネスを盛り上げてきたという。

ヴイエムウェアの歩み

 ロバートソン氏は、「外資系なので、本国の四半期のプレッシャーはもちろんあった。昔は必ず売上は上がるから、もう少し待ってくれと三木さんと2人でお願いした。そして、本国も(コンサバティブな)日本の市場動向を理解し、待ってくれた」と振り返る。ロバートソン氏がジョインした頃30名だった社員は、今では400名以上。昨年のvForumの来場者も9000人を達成するまでに至っている。

離職率の低いのはなぜ? 思い入れのある製品は?

 そんなヴイエムウェアのカルチャーは、グローバルマインドとジャパニーズハートが同居しているハイブリッド性にあるという。ロバートソン氏はカリフォルニアロールの写真を見せながら、「VMware KKはカリフォルニアの会社として、ITを変革するイノベーションや信念を持っている。同時に日本の深いところも理解しており、チームワークが上手で、お客様に尽くす。2つの文化が融合しているのがユニークだ」(ロバートソン氏)と説明する。そして、カナダ人でありながら、シンガポールと日本でしか働いたことがない自身を「ハイブリッドな社長だ」と評する。

カリフォルニアロールをバックにグローバルマインドとジャパニーズハートを説明

 外資系でありながら、離職率が低いのもヴイエムウェアのユニークなところ。現在、アジアで最初の社員である名倉丈雄氏を始め、部長クラスの多くは在職期間が長く、タレントも多い。実際、記者から見ても、さまざまなポジションで製品やテクノロジーに精通したベテランが多く、安定感がある。これについて、ロバートソン氏と三木氏は、テクノロジー面での求心力があり、成長を続けているという要因はもちろん、外部から人を採用するのではなく時間をかけて人を育てる文化、定期的にジョブチェンジするといった施策があったからだと分析する。

 思い入れのある製品についてロバートソン氏に聞くと、三菱東京UFJ銀行の大規模なVDI事例という答えが返ってきた。「お客様のやろうとしている数万規模のVDIというのは、2009年当時グローバルで例がなかった。だから、本社のエンジニアに来てもらい、お客様の要件を直接聞き、本国のトップを説得した。そして、簡単に言えば、お客様のためにロードマップを書き換えた。こうして世界でもっとも大きなペネトレーションが成功し、以降の多くの導入につながった」とロバートソン氏は語る。

息のあった掛け合いを見せるロバートソン氏と三木氏

 今後に期待したい製品を1つ聞くと、「やはりNSXはすごい。マイクロセグメンテーションというコンセプトが受け、今年後半から事例が出てくる。NSXは次のESXになると思う」と断言。と言いながら、EVO:RAILも好きとのこと。「日本はデバイスを作るのが上手なので、お客様もハードウェアが好き。だから、物理サーバーが好きなお客様からは、仮想マシンという概念もなかなか理解されなかった。でも、去年のvForumの展示では、真ん中のEVO:RAILに人だかりができた。バーチャリゼーション+ハードウェア最高!というお客様がいっぱいいた」(ロバートソン氏)と大いに期待しているという。

 情熱的なトークと機微のある受け答えで、説明会の会場を大いに盛り上げたロバートソン氏。新規ビジネスやパートナーシップの構築に専念する三木氏とともに、二人三脚でビジネスをますます伸張させていくとのことで、今後も楽しみだ。

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