初のディストリビューション「VMware Integrated OpenStack」も投入
すべてはハイブリッドクラウドを作るために!VMware vSphere 6登場
2015年02月03日 16時30分更新
2月3日、ヴイエムウェアはハイブリッドクラウド基盤を謳う「VMware vSphere 6」を発表した。あわせて「VMware vCloud Suite 6」や「VMware vSphere with Operation Management 6」「VMware Virtual SAN 6」も投入され、真のハイブリッドクラウドを実現するという。
ようやく真のハイブリッドクラウドが実現できる
約3年ぶりのメジャーバージョンアップとなる仮想化ソリューション「VMware vSphere 6」では、650もの新機能・技術革新を追加した。vSphereに関してはヴイエムウェア ストラテジックアライアンス本部長の名倉丈雄氏が説明した。
名倉氏がまず説明したのは、「One Cloud,Any Application」というヴイエムウェアのハイブリッドクラウド戦略。オンプレミスとクラウドで異なるプラットフォームで、サイロ化した管理を行なうのは、ユーザーのメリットにならない。「せっかくクラウドで新しいものを作っていても、サイロ化した個別の環境をそれぞれ管理しなければならないというのは、なんとしても避けたい」と名倉氏は語る。
そのため、単一のプラットフォームでオンプレミスも、クラウドも統合できるというメリットを追求したのが、VMware vSpereを“6世代”のテーマ。「やっと本格的なハイブリッドクラウドができる」と名倉氏は自負する。
スケーラビリティを向上!長距離vMotionやコンテナ対応も
ハイブリッドクラウドの基盤となるvSphere 6では、まずスケーラビリティを向上。ホスト1台あたりの仮想マシンの台数をvSphere 5.5の512から4倍となる2048まで引き上げたほか、クラスターあたりのホスト台数を2倍となる64、仮想マシンあたりの仮想メモリ(vRAM)も4倍となる4TBへ向上し、大幅な底上げが図られている。
また、大陸横断規模の長距離で仮想マシンをフェイルオーバーできる「Long-Distance vMotion」も搭載。日本からシンガポールまでの距離でも即時に仮想マシンをフェイルオーバーできるため、災害対策やサイト間のロードバランシング、データセンター間での移行に活用できる。「ネットワーク的なRTT100ミリ秒でOKなので、かなりの遠いところでもVMを飛ばせる。災害回避のため、あらかじめVMを移していくことも可能」(名倉氏)。
さらに、コンテナインスタンスと仮想マシンを迅速に複製・プロビジョニングする「Instat Cloneテクノロジ」が導入。秒単位で新しい仮想インフラが利用できるようになる。その他、従来1つの仮想CPUのみだったFault Toletanceのマルチプロセッサ対応やデスクトップ仮想化向けに3Dグラフィックの配信も実現。総じてスケーラビリティを必要とするクラウド系のアプリケーションから、信頼性が必要なミッションクリティカルアプリケーションまで、幅広く対応することが可能になったという。
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