CESで海外向け発表、驚きをもって迎えられる
── LaVie Hybird ZEROはタッチパネル付きのモデルで900g台(約926g)。タッチなしでは700g台(約779g)の軽さです。タッチ対応モデルは360度回転する二軸ヒンジを採用しつつ軽量化しました。国内では世代を重ねて認知のあるLaVie Zシリーズですが、CESでは海外向けにも発表されましたね。その衝撃は大きかったのでは?
山下 「そうですね。私も現地に赴きましたが、現地の報道で“アンビリーバブル”という見出しが躍るなど、大変わかりやすいリアクションをいただきました(笑)。手に持った瞬間の表情や反応も、過去に日本の記者やユーザーの皆さんとまったく同じで『万国共通だな』と。『WOW!』と驚嘆して、笑いがこぼれる。そして周りにも持たせてみんなが驚く、といった感じでした」
── 軽量なモバイル機は、日本だけではなく海外でも求められているということなんでしょうね。
山下 「期待はしていましたが、ここまで評判がいいとは思っていませんでした。われわれの技術というか商品が認められたのは率直に嬉しいですね」
── 米国市場で、LaVie Hybrid ZEROはレノボを通じて販売されます。開発面での協力関係はあったのでしょうか。
山下 「LaVie ZEROの開発は完全にNECPCによるものです。(同じハイブリッド機でも15.6型と大きな)Hybrid Advanceといった機種ではレノボと、共通にできるところは協力しながら開発を進めました」
ユーザーのニーズを探り、試行錯誤を続けていく
── 真の意味での2in1という言葉がありました。パソコンとタブレットは今後、共存できるのでしょうか?
山下 「まだまだPC側、タブレット側でいろいろな方面からアプローチがあると思いまし、これだという完全な答えもまだ出ていません。今後も模索が続くというか、いろいろな商品が出る状況が続くと思います。モバイルノート自身にも、もともとさまざまなサイズがありますし、いろいろなお客さんがいて、それぞれの使い方がある限りは製品のバリエーションが増えていくのだと思います」
── モバイル機器ではどうしてもトレードオフが生じますからね。
山下 「そうですね。ただしその中でも、今回はかなり妥協をなくして追い込めた製品に仕上げられたのではないかと思います」
── いろいろな機器を使ってみて、タブレットでは7~8型、ノートでは13.3~14.0型が一番使いやすいと感じます。13.3型でこの軽さを実現したLaVie Hybrid ZEROのインパクトは大きいと思いました。
山下 「軽さを実現するためには、何かひとつでは難しく、さまざまな要素の組み合わせが必要です。今回のZEROに関してはマグネシウムリチウム合金の鍛造(たんぞう)という新工法※の利用だったりとか、タッチパネルのダイレクトボンディングといった新しい技術を活用しています。これは軽さだけではなく、どういう技術が必要かを常に考え、われわれのR&Dのチームと連携した成果ですね」
── マグネシウムリチウム合金は2012年の初代機から使われていましたが。
山下 「今までは鋳造でしたが、今回から鍛造という叩いて鍛える工法を使っています。ダイレクトボンディングでも(表面の)ガラスを(より軽量な)フィルムに変えるといった改善をしています。とにかくいまやれることを一生懸命やっている形ですね」
※LaVie Zの従来機種では、ボトムケースをプレス加工、液晶パネルのバックカバー(天板)およびトップカバー(キーボード面)を鋳造(ダイキャスト)で作っていたが、新機種では液晶パネルのバックカバーを鍛造とし、強度を保ちつつ、軽量化した。
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